無事に温泉旅が終る。帰ってからが本番だ。皆で話し合いを続ける。侍医もそこにはいた。

「侍医の本心を知りたい」

「本心ですか?」

はて・・どういうことでしょうか?そしらぬふり尋ねた。

 

心の内がもしやこのテホグンにばれているのではないかとひやりとする。

「王妃様についてだ」

「私は可能だっていいました」

侍医はどうですか?ああ・・そういうことかと納得した。侍医として答えを口にした。

いろいろありますが・あきらめぬかぎりは可能でしょう。

 

「私も・・子供ほしいです」

共に頑張りますとウンスがいう。トギもうんうんと頷いていた。

「もう一つ・・」

ウンスが気にかかること。毒についてだ。診察日記に出てきた。皆が真剣な顔となる。

「教えてください」

誰が毒を飲ませたのですか?

「徳興君という王様の叔父にあたる人物です」

その瞬間だけ侍医の顔色が変わるが次にはいつもの顔に戻っていた。

 

人払いがされる。トギもウンスも部屋の外に出ていった。

 

2人だけとなり重たい空気だけが残る。ヨンはやはり侍医は何かを知っている。

敵か味方か。

 

「どうかしたか?」

「テホグンにだけお話がございます」

感情を捨て去った顔つきで侍医がそこにいた。懐深くに隠し持っていたそれを机の上にことんと小さな小瓶を置いた。

「それは」

「触れない方がよろしいかと」

「まさか」

 

どこから話をしましょうか?暗い闇を抱えた眼差しを向けていた。