また時が流れた。ウンスは高校を卒業した。ヨンは三年が過ぎた。頭がよく回りいたずらもよくするようになる。とことこ動き回るとなれたしぐさでウンスの家に上がり込んでいた。
前足のみで扉を開けるが閉めることはしらない。大きな音にびっくりする。
がーがーその音にヨンは飛び上がって逃げていく。
ヨンの尻尾だけが残されていた。ウンスが掃除機を止めた。顔を動かしていく。
「あ・・あんなところにいた」
でておいでと優しく声をかけると隙間から顔だけをのぞかせたヨンが見えた。視線を合わせて手を差し伸ばてくれた。びくびくしながらそこからでていく。
「ごめんね・・いま掃除してたところなのよ」
その大きな体を抱き上げてやる。なでなでしてやったら心地よさげに喉を鳴らす。ごろごろしている。
「ヨン・重たい」
ウンスはそういい下におろす。
大学に通っている。ヨンはさっといなくなると人になって戻ってきた。首にはチャン・ビンに鈴と首輪がつけられた。ちりんとなる。その上名前もつけられていた。
「あ・・またきたのね」
それにしてもここ最近よくあうわね。君はそれに不思議なことに見るたびに大人になっている。最初は子供だった。次には少しだけ大きくなっていた。この成長の仕方って。
「まるで・・猫みたい」
なんてそんなバカなことあるわけがない。
でもまさか。それって首についているのは・・首輪?人にそんなものはない。
「君・・まさか・・本当に・・猫なんじゃ」
冗談ぽっく聞いてみる。ぎくんとした。手を伸ばして名前を確認してみる。
「ヨン・・え・・まさか」
こわごわ手を伸ばして見ると甘える仕草がヨンのそれだった。背を伸ばして頬に触れて心臓に耳を当ててみる。
人よりも早い鼓動を聴いた。いつも眠そうなのも猫だから。
時間切れというように猫に戻ってしまった。
さっと逃げていってしまった。その後ウンスがヨンを捜していると高い場所にヨンが見えた。