温泉旅とききウンスは久しぶりにわくわくしていた。いつになくはしゃぐ。王妃様と同じ馬車にのる。なんとも楽しそうな声と雰囲気が外で護衛をしているものたちにも伝わってくる。

「王様」

何事もございませぬか?

「テホグンか」

「はい」

馬で近くまで寄って話をしている。

「王妃のほうはなにやら楽しそうだな」

「さようで」

一度妻がいる方へ王とヨンが向けた。

 

「ですが・・騒々しいすぎですね」

苦く笑う。

「よい」

旅だという。よはこのような雰囲気を味わうのは初めてぞ。

「はい」

しかしいまだにウンス殿は記憶が戻ってないのだなと小さな声で申された。

「はい」

 

護衛にはムガクシもついている。当然なこと。叔母上もそこにいる。小言をくらわないようせねば。俺もあの方も仕事で来ているのだ。ヨンとウンスは夫婦になっていたので当然同じ部屋となる。

 

「疲れませんか?」

「平気です」

この後予定はと真面目な顔で聞かれた。そこはきちんとわきまえていたようだ。簡単に告げていく。

「ここって温泉・・ですよね」

「そうのようです」

露天風呂もありますか?ありますがヨンは外はと渋い顔になる。

 

夫婦の部屋はあるが部屋の中についていたものはうち風呂。露店風呂は大きな風呂となり別の場所にあるのだ。少し離れなくてはならない。

「王妃様と王様にも入っていただきたいのですが」

「共にはさすがに無理ですよ」

「そうですよね」

それでは医師としてつきそうという名分で。にこりとほほ笑んだ。相談してきますねとさっそく叔母上に話をしに行っていくという。方向音痴なのだウンスは。