チェヨンが離宮に戻るとウンスが起きてまっていた。
「明日も早いのでしょう」
先に寝ていてよかったんですよと重たい鎧を身にまといながら帰ってきた。
「そんな・・さみしいこと言わないでください」
あなたの妻なのに。ウンスが切なく言う。
ご飯も食べてないと聞きましたのでおにぎりを作ってみました。ことんとお皿にそれがのせられていた。握り飯の中には沢山具が入っていた。ウンスは着替えすませたヨンが戻るのを待ってから晩酌の用意をしていた。
「それは?」
ヨンがうまそうに握飯を口に入れてウンスに聴いてくる。
「一人では食べないかと思ったので私もつきあいます」
酒のつまみも用意してある。
ヨンとウンスは昼間の出来事を話していた。ちびちび酒をつまみながら。
「そういえば・・外で護衛をしていたトクマンさんが・・戦が近いと」
「あの・・おしゃべりめ」
舌打ちをする。あの軽い口さえなければそれなりの実力者になる。チュモが副隊長になっていた。トクマン。
「確かにそうですが・・すぐにというわけでもありません」
戦には準備が必要です。早めに相談をしていました。
それとは別にとある計画をたてていたのだ。
「イムジャ・・温泉はお好きですか?」
突然温泉の話になりがたんと席を立った。それにヨンは驚く。
「温泉?好きです」
うん?でもなぜ突然そんな話になったのか?かわいく首をひねった。
「イムジャ・・落ち着いて・・まずは座って話をしませんか?」
かつてのウンスを思い出しヨンはにこやかに椅子に座るようにいった。
簡単に話をする。流れではこうだ。王妃さまとウンスのためだという。しかしそれでは警護の話にもうつっていく。
「王様はさすがに王宮を開けるわけにはいきません」
チェ家にある別邸にいってみませんか?
「でもね・・ヨンさん・・すと・・心の癒しをもとめるなら王様もいかれた方がいいのですよ」
ぱちと手をすり合わせた。子を作るために温泉で治療をするという面目が立てばいいのだ。