薬を取りに行くのよと寝ている隊長に説明をしていた。ここにいてほしいと言われた。

いかないでと熱のためかうるんだ瞳をさえて懇願してしてくる。

つかまれた手は熱のためかあつかった。

 

「イセン‥名前で呼んで」

ふにゃりと力なく笑う。その顔にウンスがノックアウトしそうだ。

「隊長・・体面があるのでしょう」

「イセンならいい」

「ヨンぁ・・これから薬をもらいにチョニシいきたいのよ」

すぐに戻るから待っててと優しく声をかけて額の汗を布でふいてあげた。

 

その前に叔母さまに来てもらおうか?具合悪いなら身内にみてもらいたいだろう。

「いや」

イセンがいいと甘えるようにいう。きゅんとなる。かわいいすぎるヨンがそこにいた。

 

その後すぐにチャン侍医に説明をする。

「隊長の具合はどうですか?」

「熱が高いの」

では熱さましを用意します。トギに頼み必要な薬湯を用意していく。

 

すぐに戻り薬を持ってきた。

「ヨンぁ‥起きれそう?」

「うん」

背中を支えてやっと重たい体を引き起こす。

「イセン‥飲ませて」

うんと口をあけてまっている。さじでヨンの口に飲ませててみた。ごくんと飲む。残りは自分で飲むといいゆっくり飲み込んでいった。

「にがい」

「あらまぁ・・いつもは薬とはそういうものですといっていたじゃないの」

それから水分も飲んでね。水を飲ませて寝るだけ。

 

「イセン・・一緒にねて」

腕を引かれてそのまま布団の中に入れられた。ヨンは寒いのかウンスに抱き着いてきた。

「ヨンぁ・・苦しくはないの?」

「ない・・ねる」

 

次の日のこと。腕の中にウンスがいてぎょっとした。

「なぜ・・ここにイセンがいるんだ?」

どういう状況なのかと昨日のことをとどるも何も覚えていない。体調はよくなっていた。その間もイセンはヨンにすりすりしてくる。

「ここにいるわ」

どこにもいかない。寝言を言っている。早く元気になってね。

心地よさそうに寝息を立てている。どこをみても自分の部屋だった。どさりと仰向けに転がった。自分の額に腕を置いた。

 

「これは夢に違いない」

ならばもう少しこのままでいてもいいだろう。

 

終わり。