ウダルチ隊長チェヨン。朝から様子がおかしかった。ぼんやりとしていてふらつくこともあった。皆が。チュンソクがイセンにみせるべきだというのに誰にも言うなと口止めるをされていた。

 

「正気ではない」

「やっぱり?」

ウンスも気が付いていた。ぼうとして頭が痛むのかふりふりさせて気合を入れている。

 

兵舎にウンスがやってきた。こそこそ。テマンと副隊長に中に入れてもう。トルべも心配している。チュソクも。

「どう?」

「今は・・部屋におります」

「私が入ったら誰も近くにはよせないで」

「はい」

皆がそれぞれに散っていく。

 

中に入ってみるとヨンは床に転がっていた。声をかけたが反応しない。近くによるも動くことがない。いよいよおかしくなったと知る。すぐに診察に入る。

「隊長・・」

声をかけてもうなるだけ。額に手を当ててみる。40°近くある。床で転がっているということは。あついのか寒いのか。

「寒い?あつい?」

「うう・・あつい」

大の字になった。目を閉じている。気持ち悪いのかな?桶も用意する。吐きたくなればそこに吐けるように。

「隊長・・動ける?」

「いやだ」

「困った」

これは手が必要かもしれない。一人では大きな男を動かせない。

「いせん」

「なぁに?」

 

とろけた目をしている。連れていって。ウンと腕を差し出している。

ウンスがヨンをささえて寝台まで連れていく。どさりと転がる。まずは着替えが先。着替えはどこにあるのか?

「そこの箱の中」

「勝手に開けていいの?」

「いい」

実に素直になっていた。箱を開けてみると必要なものだけが入っていた。着替えを取り出すが一人では無理だろう。

「イセンが着替え・・させて」

きゅんとなりかけた。このかわいい男は誰だ?きっと熱でおかしくなっているのだろう。邪魔なひもをほどき上着を脱がせてヨンももぞもぞ動く。無事に上着を脱がせて新しい着物にさせた。パジはとりあえずいいだろう。

「布団・・いらない」

とりあえず布団は端によけておく。必要な薬湯を持ちに戻らないとならない。

「どこにいく?」

「薬を取りにいくのよ」

「ここにいて」