大きな氷のかけら小刀で乱暴に削る。ざく・ざく。ウンスはご機嫌で焼酎をのんでいる。
「最高」
「お静かに」
暑い日にはこういうものが飲みたくなるわとからんと氷をまたつつく。
「しかし・・まだまだあります」
どうするつもりかと隊長が言う。
「そうね」
他の人には上げられないし。ざく・ざくその横でひたすら無言となりけずる。
井戸の中に隠しておこうかとウンスが提案。そのうちにとけてなくなるだろう。
ざく。
「あ・・やぁん」
氷のかけらがウンスの合わせに入った。
「つめたい」
手を胸のあわせに突っ込んだ。ヨンの見ている目の前で。
「いせん・・おやめください」
視線をそらしてそういう。
「え?」
ウンスが隊長の顔をみる。真っ赤に染まっていた。ちらみしてきた。
「どこみているのよ」
あわてて合わせをひっつかんだ。いやらしいと睨む。
「なっ・・いやらしいとはなんですか?」
だいたいあなたが見せるからいけなのです。理不尽なことに怒りだす。
2人は喧嘩になってしまった。衣の中に入った氷はとけて消えてしまった。
「ああ・・とけちゃった」
終わり。