夏だ。しかしここはとてつもなくあつい。なにかいいアイデアがないか?とろけそうだ。チョニシにてへたりこんでいた。
せめて氷があれば違うだろう。机につぶれながら一人でつぶやく。
そうだとばがっと顔を上げる。そこでいいことがひらめく。キ・チョルがいる屋敷にいく。
「これはこれは」
いきなりの訪問にキ・チョルは驚いたが歓迎をしてくれた。この男涼し気だ。
「いきなりでごめんなさい」
あなた氷作れる?
「はい?」
その場にいたものたちは何のことかと首を傾げた。
「できる?できない?」
できないならいいです。この話はなかったことにしてください。帰ろうとした。あわてて引き止める。
「内攻の話ですか?わたしの内攻は氷らせることはできます・・ですがわたしは得意なのは冷やすことです」
「冷やす?ではあそこにあるツボ・・水をいれて冷やすことは?」
「できます・・おまかせを」
ただ‥解せぬことがあります。くいと片方の眉を上げる。
「なぜ・・ここへいらしたのかということです」
みればいつもそこにひかえているウダルチ隊長の姿もございません。
「そんなことどうでもいいじゃないの」
天界のこと話してあげる。どうこれが天界で言うデールよ。
「わかりました」
一瞬のうちに水が入ったツボが凍り付けとなる。
「すばらしい・・かんぺきよ」
ウンスはたいそう喜んでいた。そのツボはこの屋敷にいる私兵に運ばせた。企みは成功したかに見えた。
天へ続くような高ーいたてものが並んでいたわ。動く階段があってね。それからこんなものもあったわね。箱に入ると一瞬で最も高い場所へいけるのよ。
うきうきしながらウンスは王宮に戻っていったら門前に鬼が仁王立ちしていた。
「どちらへおでかけでしたか?」
この暑さでとけるなどと文句をいわれておられた。そんなお方が昼一番太陽が真上にあるこの時刻。
嫌味をさんざん聞かされることとなった。