昨夜のことだ。月の出てない夜だった。確かにそれはいた。チェヨンの目でなければ見過ごしていた。

「おい」

ちょっとこいとスリバンに呼ばれた。ヨンとウンスは師淑の元にいく。酒を飲みながらジホとシウルを呼びつける。

「おめぇが昨夜見たっていうやつのことだ」

「ああ‥なにか・・わかったか?」

そいつの居場所なぁ・・調べておいたぞ。

「無事につけられたか?」

月がでてないので心配してたが。無事に見失わずにいられたか?

 

おい・バカにするなよ。やつらだって十分やれるようになった。そこでどこへ向かっていったと思う?

「もったいぶらずに教えて」

ウンスが先を促した。妓楼の中だった。途中でやめさたがな。

「どこの店なの?」

天女。殺された娘は?

「話していいのかな?」

人払いはしてあるとヨンがいう。本当にひどい殺され方だったわという。

 

こうしてね。後ろ手に縛られて。

「そこまでわかったのかい?」

マンボ姐がやってきた。うん・・縛られた跡が残ってた。相手も抵抗したんだと思う。だから一人が後ろを抑えてもう一人が首をつかんだ。

「まって・・イムジャ・・犯人は二人?」

「そう・・二人いる・・・もしくは三人でもいいけど」

一人が抑え込む。もう一人が首をつかんで水に沈めたの。膝に擦り傷ができていた。おそらく地面に膝をつかせたのね。

 

全て殺された人の体に痕跡が残されていたのだ。人がかかわればそれなりに痕跡が残るものだという。

つまり井戸で殺されたのではないということだ。

「違うわ・・侍医にも聞いたけど・・どこか別の場所ね」

溺死させるには・・バケツ一杯だけあれば済む話なの。

「わかった・・その店を調べてみる」

「私もいくわ・・」

これはひどい事件わ。まだ若い女性がどうしてこんなふうに殺されなくてはいけないのか理由を知りたい。