それは何度も目撃されていた。ヨンがウンスの元へ行くのも「護衛」ウンスがヨンの元へ行くのも「治療のため」二人はお互いの部屋にいったりきたりしていた。
目撃者は王宮にいる人々。女官・兵士・内宮などなど。
尚宮である叔母にその話がいくのも時間の問題だった。
「おい」
「なんだよ」
ヨンはいきなり叔母上に呼び出された。とっさに後ろ手に何かを隠した。
「何を隠した・・見せろ」
「別にいいじゃないか?」
叔母上が何度も後ろ確認してくる。くるりと素早く動く。
ウンスに渡すための土産だった。この日は菓子を持ってきていた。
「あの人が喜びそうだ」
とほくほくしていた。ゆるんでいる口元を見られた。叔母がすぐさま手をだす。さっとよける。
また或る日はウンスに何を用意しよかと考えていた。それは市井に見回りに出ていた時のこと。
じいと髪飾りの売っている店を見ていた。
「隊長‥その店に何か?」
「いいや」
先にいけと手でしっしと共に歩いていた部下を先行かせた。
全てが叔母の元に話がつつぬけになっていたのだ。
「あきれるね」