ヨンは叔母さんに怒られた。
「この・・ばかたれ」
後先考えずに行動するからだ。
「だから・・ウンスにも責任はとると」
「そのことはもういい・・仕事をしろ」
ふぬけ。
「ふぬけ・・・」
「同居人に思いをよせているんだろう」
「想いを?」
そんなことは考えたことがなかったという。叔母さんがヨンの背中をばしと叩く。
「しゃきとしないか」
それは執着というものだ。と言われて驚きその場に固まっている。
あきれてやれやれと頭をふっていた。
はめられたハッカーも手をかしていた。犯人探しに本気になっている。
「この映像・・加工されている」
別の映像をその上に貼り付けてあるんだ。そこでばらにしてみることにした。窓に映っている人物がわかった。
シン・ヒョジュンが振り向く。窓が開いていた。そこは11階の最上のVIPルーム。恐怖におののく顔に変化していく。
何か言い争っているようにみえた。やがて開かれた窓に背中を向けていた。
犯人がシンの肩を突き飛ばす。そのまま窓の外に落ちていった。
これが事件のあらましだった。シンが持っていたものに証拠となるものがうつっているはずだ。
「彼女は何をもっていたんだ?」
画面をアップさせていく。新商品のスマホだった。その日CMで撮影をしていたものだった。気に入った彼女にスタッフがあげたのだ。
「それではそのスマホを探せばいい」
ヨンが次にやることが決まった。スマホ探しとなる。