雪が降った次の日。朝の事。ウンスが外に出てみる。一面銀世界だった。太陽がきらきらと光っている。まぶしい。

寒い寒いと小さく丸くなる。うさぎみたいに震えている。

 

「起きていますか?」

チェヨンがやってきた。手に持っているつつみを差し出された。ふわふわの外套。色も白いので本当の雪うさぎだ。いそぎみにまとう。

「あたたかい」

ありがとう。ぬくぬくする。手袋もあった。チョニシから出てすぐの庭。初雪を堪能する。

「なにをしているんですか?」

しゃがみこむとさくとウンスは雪をすくいとる。にんまりとした。そこに立っている男へ向けて

「えい」

なげつけた。さっとよけられる。

「むう・・あたらない」

ヨンはあきれた顔になり溜息をつく。

「少しぐらいつきあってもいいじゃないの」

それとも忙しい?と寂しそうにいう。ヨンは顔を明後日の方向を見て頬をかく。

「いいですよ」

といった。質問に答えてください。先ほどはなにをしていたのですか?

「あ‥知らないの・・雪合戦」

「知りません」

 

子どものころ雪で遊んだりしなかったの。

「まぁ‥遊んだ記憶はあります」

雪玉を投げるがさっとよける。

「投げ返してもいいのですか?」

つい。いいわよと答えてしまった。

 

それが悲劇の始まり。

さくっとすくいヨンが雪玉をつくる。手が大きいので雪玉も大きくなる。

ビュンと雪玉が飛んできた。

「ひい」

条件反射で地面にしゃがむ。

 

それた雪玉が後ろの木にあった。