チェヨンの犯した罪とは・・振り返ればいくらでもある。一つ無気力にいきてきた中・・女たちとも不真面目な態度をしてきたこと。だからいまウンスに触れるのが恐ろしいのだ。昔と同じようにウンスに触れてしまったら?それとも何も感じることもせずにことにすすんでしまうのだろうか。同じにしてはならない。婚儀までは辛い思いをしても耐え抜いてみせる。
もう一つは天人である人をこの地にさらってきてしまったことだ。そのことを本人に告げられずにいる。
「はぁ・・それにじょじょに違和感を感じてくるころだ」
それでもまだは今はこのままでいたい。
「トギにもきいてみたが・・あの侍医にも何かあるようだ」
「さきほどから何を一人でぶつぶつ」
いっているのですか?ころんと仰向けになるイムジャと目があう。自然ににやけてしまう。この顔を見ればふぬけめと叔母上に蹴られる。
「おきましたか?」
こくこくする。寝ぼけた目をこすりながら起き上がる。ヨンが手を差し出すと迷いなくその手をつかんでくる。
あのいつかのように避けられる日がきそうで怖い。手に乗る小さな手をぎゅと握る。引き起こした。
「おはよう」
「おはようございます」
朝の挨拶もまだだったことを思い出す。
「今日は共にいくのですね」
「はい」
唇についたご飯粒を指でつまみ自分の口に入れる。考え事をしていた。
「何かありますか?」
ウンスは恥ずかしそうにうつむく。おかしなことでもあったか?首をひねる。
「実は‥重臣たちがうるさいことを言ってきそうです」
「そうですか?」
ここでの建前。北の地でテホグンがみそめて共に連れてきたということにした。
「イムジャ・・」
口元に手をもっていき考え込む。頬に手を当てた。
「私はあなたと生きるためにここにいます」
けっして誰にもゆずりません。安心してください。ひかえめにだがきっぱりいう。強い意志があった。