ウンスが目を開ける。あの人がそこにいて息子をあやしているように見える。
「あう」
ご機嫌に笑っている。ウンスが体を起こした。ヨンのそばにいきユクを受け取り腹がすいたという。
「あうあう」
といっていた。
「このこにお乳をあげてもいい?」
はたとヨンは我に返った。部屋の外に出ていく。その姿を最後まで見続けている。衣の合わせを開いてユクにお乳をふくませた。
ごくごく飲んでいいく。小さな手でお乳をもんでいた。やがてとんとんと背中をたたきげっぷをさせた。
「どうぞ」
声をかけるとヨンが中に入ってきた。
「そういえば・・名前は?」
「このこの名前のこと?」
「はい」
ゆらりとするときゃいきゃいと声をあげる。
「そうね・・ユクというの」
「ユク・・か」
天門はすっかり閉じていたと部下より連絡が入っていた。ウンスにどうつげようか迷う。
「天門・・閉じてしまったのね」
「はい」
ヨンもウンスも複雑だった。同じ魂だというのに。別人だと知っていたからだ。
「天を恨むべきかしら?」
「俺は・・あきらめていません」
とヨンが言った。
やがてウンスは目を一度閉じると覚悟を決めた。