この図のように一つの円の中に、3つの円がお互いに接するように設置する問題は「アポロニウスの問題」と呼ばれる.

https://ja.wikipedia.org/wiki/アポロニウスの問題

 

この問題に関して,中学校数学の範囲で解法が可能な問題を紹介する.

 

 

 

円O の内側に接する2つの円O₁,O₂を考える.この2つの円は接している.

この2つの円の共通接線ABとCDをつくる.

ABとCDの交点をP,  共通接線ABの接点をMとする.

このとき、AC=AD になることを証明しなさい.

 

 

 

 

<証明>  図のような補助線を引く. 

OO₁の延長と円Oの交点(接点)をE,  OO₂の延長と円の交点をJ とする.

EAと円O₁の交点をH,  JAと円O₂の交点をI とする.

点Aにおける円Oの接線をAKとする.

点Eにおける円Oの接線をEKとする.

EJを結ぶ.

点Aを通る円Oの直径をAFとする.AFとCDの交点をNとする.

 

△HO₁Eは,円O₁の半径が等しいので,二等辺三角形であるので, ∠O₁EH=∠O₁HE

△AOEは,円Oの半径が等しいので,二等辺三角形であるので,  ∠OEA=∠OAE   

 

∠O₁EHと ∠OEAは,共通だから, ∠O₁HE=∠OAE  

同位角が等しくなり, HO₁ // OA 

同様にして,OA // IO₂

 

△AHMと△AMEにおいて,∠Aは共通  接弦定理より ∠AMH=∠AEM  

2組の角がそれぞれ等しいので, △AHM∽△AME

よって AH:AM=AM:AE  だから AH×AE=AM²  ・・・①

 

同様に,△AIM∽△AMJ より

AI:AM=AM:AJ  だから  AI×AJ=AM² ・・・②

①②より

AH×AE=AI×AJ・・・③

 

△AHIと△AJEにおいて,

∠Aは共通 ③より

AH:AJ=AI:AE  2組の辺の比とその間の角が等しいので,

△AHI∽△AJE

よって ∠AHI=∠AJE  ・・・④  (四角形HEJIはひとつの円周上にあることがわかる)

 

また,円Oで接弦定理より,∠KAE=∠AJE・・・⑤

 

④⑤より ∠AHI=∠KAE     錯角が等しくなるので,AK//CD

 

点AはOの接点であるので, ∠KAO=90°

 

よって AF⊥CD  

 

AFが直径で,それに対して垂直に交わる弦はそれを二等分するので,CN=DN

 

△CANと△DANにおいて,ANは共通,CN=DN,∠ANC=∠ADN

二組の辺とその間の角が等しいので,△CAN≡△DAN

よって,AC=AD