フラワーモチーフジュエリーブランド

セレンディップジュエルの

天生目理香(Nabatame Rika)です。

 

毎日、本当に寒いですね。

皆様、お身体に気を付けてお過ごしくださいね。

 

このブログは今落ち込んでいて出口が見えない人に読んでいただきたくて書き始めたものです。

あと1回くらいで終わりになる予定です。

 

 

 

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キセキ(40歳どん底Ns.がジュエリーで輝く2260日㊶)

 

 諦めずに信じ続けること。

 必ず、道は開ける。

 まるで何かの自己啓発書に書かれている言葉のようだが、私がこの体験を通じて学んだことだった。


 長野の冬、凍りつくような冷たい空気の朝。

 目が覚めてから、急いで準備をして母の搬送先の病院に向かった。

 病院の駐車場に車を停め、視線を上げると、雪で真っ白になった山並みが目に映った。

 まだ、人の足跡がついていない新雪の上を早足で歩き、病院の非常口から母の病室に向かった。

 地元にある200床程度の小さな病院。2階の奥にある個室で左腕に点滴をされたまま、母は眠っていた。私に気が付いても興味のない様子だった。

 母が倒れた理由は、食事も水分も摂らないことによる脱水と低栄養状態。トイレに行こうとして、ベッドから起き上がり、廊下で倒れたのだという。

 数日間、ずっと寝たまま、家族がどんなに促しても食事も水分も摂らなかったそうだ。

 内科病院から処方されていた何種類もの薬の内服を止めてしまったために、症状が悪化した。おかしな言動がなくなった代わりに、ずっと寝たまま動かなくなってしまったのだった。

 搬送された時、ナースステーションの一角で看護師から事情を聴かれた兄は、虐待を疑われたような気がすると話していた。

 それを聞いて、ちょっと腹が立った。

 痩せこけて、衰弱しきった母を見た看護師は、私たちが食事を与えていないと思ったのかもしれない。この数週間の母の様子を知らない人には、分からないだろうと思った。

 抗議しようかとも思ったが、それでこの状況が良くなるわけでもないので、やめた。

 医師の話では、精神科に転院させた方が良いとのことだった。紹介状を書いてもらい、入院中の病院の内科病棟から、長野赤十字病院の外来に連れて行った。

 精神科の待合室で1時間ほど待つと、ようやく診察の順番がきた。30歳前後の若くて綺麗な女性の先生だった。

 こんなに若い先生で大丈夫だろうか…?
 不安はあったが、これまでの経緯をお話しした。

 そして、いくつかの問診のあと「中程度のうつ病」と診断された。うつ病で、ここまで人格が変わってしまうのだろうかと驚いた。

 処方された薬は1種類だけ。脳内の神経伝達を増強する作用のあるリフレックスという薬だった。副作用もあまりなく、何種類も出されていた以前の処方薬と違って1種類だけということに、とても安心した。

 病院からの帰り道、母の様子に変わりはなく、車の中でもずっと何も話さないままだった。

 夕方の暗くなった道路を30分ほど走り、入院中の病院に戻った。心配とこの先への不安が入り交じっていた。処方された薬が効くことを祈った。

 「どうか、治りますように」

 


 数日間、実家に滞在し、病院に面会に通った。

 病室の窓から見える雪景色が、あるときはとても暗く厳しく、あるときはとても美しく温かく感じられた。母の病状を心配する私の心の内によって見え方が異なっていた。

 精神科に入院するのなら、那須の私の家で母を引き取ろうと考え、それを医師と看護師に伝えたりもした。一回りも二回りも小さくなり、弱っている母を精神科に入院させることは絶対にしたくなかった。

 今の母しか見たことのない人には、交通事故による大怪我で精神的に参ってしまったと、どんなに説明しても分かってもらえないだろうと思った。そのくらい、母は衰弱し別人のようになっていた。

 それが、悔しくて悲しくて涙が止まらなかった。

 那須の自宅に戻り、1週間ほどが過ぎたころ、変化が出始めたと兄から連絡があった。食事を食べるようになり、話をするようになったという。

 私たち家族は、長い間の不安や心配、怒りや悲しみから解放され、ホッと安堵した。

 その後も入院中の病院から、長野赤十字病院の外来に数回通い診察を受けた。そのたびに那須から長野に行き、受診に付き添った。

 逢うたびに母の回復を感じた。

 厳しい冬を乗り越えて、春の日差しがほんの少し華やぐのを感じられる季節。

 今度こそ本当に元気になった母は、その病院を退院することができた。

 その数日後のことだった。インスタのダイレクトメールに、ちょっと素敵な問い合わせが入った。

 

 

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