フラワーモチーフジュエリーブランド

セレンディップジュエルの

天生目理香(Nabatame Rika)です。

 

最近、感動することが多くあります。

普段の何気ない出来事もよく見てみると、不思議と偶然がたくさん散りばめられていて。

当たり前のことが当たり前ではないんだなぁって。

 

 

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 事故 (40歳どん底Ns.がジュエリーで輝く2620日㉚)
 
 
 こんな別れってあるのだろうか…。
 
 突然の事故の知らせを聞き、長野に向かう途中、様々なことが頭の中をよぎっていた。
 
 兄からの電話の内容は、聞くに堪えないほど痛々しいものだった。
 
 もし仮に母の命が助かったとしても、寝たきりの状態となり、身体を思うように動かすこともできず、苦痛と共に生きることになるだろう。普通に会話することはもうできないかもしれない。
 
 長年看護師をしていたためか、その状況が一瞬にして目に浮かんでしまった。
 
 母は、買い物帰りに車を運転中、対向車線をはみ出して走ってきた2トントラックに正面衝突された。
 
 母の車は小型車。考えただけでゾッとした。
 
 内臓破裂、脊椎骨折、右足粉砕骨折、頭も打っていてショック状態。
 
 事故に遭ったのは昼頃だというのに、私と兄が警察から連絡を受けたのは午後3時頃だった。
 
 何でこんなに遅かったのだろう。事故の後、一体何をしていたのだろう。
 一刻を争うほどの大怪我なのに!!
 
 その間、母はどんな状況に置かれていたのだろうか。しかも、まだ検査途中で、怪我の全容は不明。これから緊急手術だという。
 
 

 
 あまりに痛々しかった。
 
 自分の体が切り刻まれるような感覚だった。
 
 生きていてほしいと思う半面、苦しむくらいならこのまま逝ってしまった方が、母にとって幸せなのではないだろうか…。
 そんな思いが何度も心に浮かんだ。
 とにかく苦しまないようにしてほしい。
 そう祈った。
 
 ただ「最後に、一度でいいから話がしたい」と思った。
 
 今までどれだけお世話になったか分からない。なのに、お礼の言葉一つ伝えていない。
 
 最後に話したのはいつだっただろうか。
 ゴールデンウィークに珍しく我が家に遊びに来て、話し掛けてきた母に、「何? 忙しいんだけど」。
 仕事をしていた私は、パソコンの画面を見たまま、そんな言葉を言ってしまったのを思い出していた。
 
 こんな別れってあるのだろうか…。
 
 何度もそう思った。
 
 込み上げてくる涙を止めることができなかった。
 
 母が搬送された長野の病院に着いたのは午後7時くらいだった。
 
 救急の入り口から入り、待合室へと早足で向かった。
 
 廊下の一角をスクリーンのようなもので区切った小さな待合室には、父、兄夫婦、母の兄妹、家族みんながそろっていた。
 
 母は手術中だった。
 
 叔父さん叔母さんに挨拶をした。
 「久しぶりだね。こんな時じゃないと会わないよね…」
 そんな言葉をお互い涙目で交わした。
 
 そして、手術前に医師から受けた説明を兄から聞いた。
 
 それは非常に厳しいものだった。死を覚悟させるような内容だった。
 
 仮に助かっても、その先にはかなりの苦しみが待ち受けているだろう。
 
 「母にとって最も良い形になりますように」
 
 この状況で「良い形」なんてある訳がない。でも、そう祈るしかなかった。
 
 

このストーリーの①はこちらからお読みいただけます。

 

 

 

 

 

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