次なるオリジナル盤と再発盤比較でのEQカーブ実験はブルーノートになります。
デクスター・ゴードン自身が生涯で最高の演奏と仕上がりと言っている「GO」になります。
ブルーノートのオリジナル盤です。
ジャケット裏右下にははっきりとRIAAと書かれています。果たしてRIAAカーブできちんと音質が出るでしょうか?
自分 「なんですか!このギラギラしたサウンドは! シンバルなんてシャカシャカしてしまって、もはやマラカスです。」
ギタリスト 「5分と我慢できない酷い音ですね。」
石黒社長 「チンドン屋みたいですよね。ではAESカーブにしてみましょう」
自分 「あららら、シンバルの真鍮のずっしりした鳴りとなりましたね。。優雅でファンキーなピアニストのソニー・クラーク、ブッチ・ウォーレン、ビリー・ヒギンズというリズムセクション陣も楽しげなスイング感に乗って、ゴードンのサックスが気持ちよく歌っています」
ギタリスト、「こんなに違うとは驚いたね」
石黒社長 「ブルーノートのオリジナル盤はすべてAESカーブでのカッティングです。次に今世紀の2008年再発盤をきいて見ましょう。ちなみにこのレコードのマスタリングやカッティングにはACOUSTIC REVIVEのケーブルが使われています。EQカーブはそのままAESでかけてみます。」
自分 「シンバルが今度は消えてしまいましたね。全体的にモゴモゴした音質でよろしくないです。」
石黒社長 「RIAAカーブのレコードをAESカーブでかけると帯域バランスや位相が著しく狂ってしまいます。ではRIAAカーブで聴いてみましょう」
自分 「これはこちらで。オリジナル盤のAESポジションと同じトーンバランスになりましたね。しかも音質もこちらの方が各楽器がナチュラルです。オリジナル盤はAESカーブに合わせてもどこか萎縮していて、楽器の音色に違和感を感じます。」
石黒社長 「ブルーノートはオリジナル盤がバカ高く売られていますが、あれは投資目的や転売目的、もしくは変質的なコレクターの自己満足だと思います。それにアルフレッド・ライオンとバンゲルダーのカッティングで元の音をだいぶ弄ってしまっているのです。個人的にはオーディオでの良質な音を求めるのであれば、大枚はたいて買う意義があるブルーノートのオリジナル盤は極めて少ないと言わざるを得ません。」
確かに石黒社長の仰る通りで、この「GO」に関してはアコリバのケーブルアクセサリーを駆使して製作された45回転重量盤の遥かに自然でリアルな音色と質感で伸びやかでクオリティが高かったですし、何故ジャズオーディオマニアがブルーノートのオリジナル盤を神格化するのかさっぱり解らなくなってしまいました。
しかし1枚だけでは断言できませんので、ブルーノートのオリジナル盤はもう1枚、EQカーブを変えて比較試聴してみることにします。