「わたしが連日のように感じている死ぬほどの苦しみ」
というのも、一人で全責任を背負っている人が
ときに吐露することのある、自己憐憫、
つまり自分で自分をかわいそうに思う、
ではなかったか。
なぜ自分一人がすべてを考え行わねばならないのか、
という嘆きは、
すべてを一人で考え行ってきた人が
しばしば陥る一時のスランプであって、
この一時期のスランプを抜け出せば、
その人は、吐露しか自己憐憫など
忘れたのかと思うほどのエネルギーで、
再び「一人ですべてを考え行う」状態に
復帰するのである。
塩野七生 著 ローマ人の物語 18
悪名高き皇帝たち { 二 } より
なぜ私が、すべて考え
すべて実行しなければならないのか、
と悩み、
スランプに落ち込んだり、
何もかも、すべてを投げ出して、
家出したくなるのは、
部下や後輩に任せることが出来ないからだ。
部下や後輩に任せなかったのは
失敗が怖かったから、
いつも最高の成果を出したかったから、
だから、いつも全力で走っていた。
でも、少しは休憩も必要だ
部下や後輩を信じてみよう。
そのことに、
もっと早く気付けばよかった。