興宮警察署事件調書:鬼隠し編 後編 その2 | 弐位のチラシの裏ブログ

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 鬼隠し編 #11 クールになれ

 結局、一晩中、金属バットを抱きながら座り込んでいた圭一は、朝になったので、窓から外を覗いてみた。さすがにレナの姿はない。
 クールになれと自分に言い聞かせた圭一は、証拠を集めるために登校することにする。
 昨日泥だらけになった制服は、洗濯機に突っ込んだままのため、圭一はジャージで登校だ。
 校庭で素振りをする圭一は、手に包帯をまいて登校してきたレナと目があったが、挨拶しない。レナは、台所でケガをしたとみんなに説明している。
 魅音が素振りをしている圭一に近づいてきて、悪いけど、素振りを今日で止めて欲しいと言い出す。
 誰にも迷惑をかけてないし、大きなお世話だと反論する圭一に、魅音は、人のバットだと答える。
 圭一は、転校生の忘れ物で、本人が取りに来るまで借りてるだけと反論し、妹は転校せず、兄だけ転校するって変わっているなと、魅音に揺さぶりをかける。
 北条悟史は、沙都子の兄で、去年、鬼隠しにあって消えたと続ける圭一は、レナから、失踪直前の悟史と同じだ、と言われたと告げる。
 そして、圭一は、これはオヤシロさまの祟りにあう前兆か?と、魅音に尋ねるが、魅音は自分は信じていないが、レナはやばいくらいに信じているから、オヤシロさまの話はうかつにするなと忠告する。
 魅音は、悟史のマネは絶対にやめてと話すが、圭一は、みんなが隠しているから、悟史のことは何も知らないと答える。
 そして、連続怪死事件のことを隠して、除け者にしたことを責める圭一は、仲間は隠し事をしないもんだ、ダム現場で事件はなかったと嘘を言った魅音は、仲間じゃないと言い出す。
 おはぎのことを聞いてみると、魅音は、自分が仕込んだと打ち明ける。
 圭一は、魅音は仲間じゃないから、自分のことは放っておいてくれと言い放ち、魅音たちが警察に疑われていると宣戦布告し、魅音がダム騒動のときに、警察沙汰になったことも自分は知っていると告げる。
 泣いている魅音を置いて、圭一が教室に戻ろうとすると、魅音は、全部バラしたのは、あの野郎かと、涙を流しながらつぶやく。
 そして、あのとき、殺しとくんだったなと続ける。


 今日一日誰からも声をかけられなかった圭一は、授業が終わると一人で、下校する。
 今日も誰かが、圭一の後ろを付いてきている。
 木陰から、尾行者を覗き込むと、レナだった。レナは、右手に鉈を持っている。
 レナは、宝探しのための鉈で、ダム現場で、新しいかぁいいの見つけたから、発掘すると話す。
 レナが圭一についてくるので、道を変える圭一だが、それでもレナは付いて来る。
 レナは、圭一が話したいことがあるはずだと言い出したので、ないと圭一は即答すると、レナは、「嘘だ」と絶叫する!
 レナは、悟史のときとは違うから、今度こそ相談に乗ってあげられると言い出す。
 レナは、悟史も悩んでいたが、レナは相談に乗ってあげることができずに悲しかった。悟史が転校したときに、すごく後悔した。それで、今度悟史みたいに悩んでいる人に会えたら、助けようと思ったと話す。
 圭一は、連続怪死事件の犯人は誰かとレナに尋ねると、レナは、ニンゲンの犯人なんかいない、全てはオヤシロさまが決めることと、答える。
 そして、レナは、オヤシロさまはいると断言し、許してもらえるまでずっとついてくると話す。
 レナは、自分のとこへもオヤシロさまが来たから、転校して、雛見沢にもどったと話す。そして、圭一のところにも、オヤシロさまが来ていると言い出す。


 圭一は、夕べ、大石から聞いたレナの話を思い出す。
 レナは、学校でガラスを割ったとき、金属バットで男子生徒3人ほど殴り、一人に片目に後遺症を残すほどの大怪我を負わせた。
 被害者が告発しなかったため、傷害事件にならなかった。
 大石は、被害者全員に話を聞こうとしたが、レナが転校した今でも怯えて教えてくれなかった。
 事件当日の放課後、レナは、親しい男子生徒3人とプール倉庫のあたりで、いつものようにたむろって話をしていたが、理由はわからないが、突然、倉庫脇にあった野球部のバットに手に取り、3人を次々に殴り倒し、そのあと、校舎に向かい教室のガラスを次々と割っていったが、教師たちに取り押さえられた。
 被害者3人は、あのとき、レナは突然人が変わったと言っている。
 被害者達は、誰も訴えず、学校は、事件の存在自体を否定したが、事件当日、病院に3人の生徒が担ぎ込まれたのはカルテに残っており、事実とのこと。
 レナは、事件のあと謹慎処分を受け休学し、神経科医のカウンセリングを受ける。
 主治医は口が堅かったので、看護婦からいろいろ聞き出したところ、レナは、主治医に、雛見沢を棄てた人は、必ずオヤシロさまに追われる、そして、自分のところにも、オヤシロさまが来たと話していたとのこと。
 レナは、雛見沢に帰らなきゃいけないと話しており、オヤシロさまは、雛見沢の守り神で、雛見沢を棄てて出て行こうとするとバチを当てるとも、言っていたとのこと。
 大石は、雛見沢には、レナの話していた通り、里を棄てると、オヤシロさまのバチが当たるという迷信があると教えてくれる。鬼ヶ淵の鬼も、俗世に出て行かないよう、オヤシロさまに厳しく見張られていたとのこと。
 つまりオヤシロさまは、この地を外界から隔離しようとする監視者なのだ。


 圭一は、レナを両手で突き飛ばして、脱兎のごとく逃げ出す。
 圭一は、ダム現場にたどり着いていた。
 向こうから村人らしき2人が歩いてきているが、様子が変だ。
 圭一が走り出すと、2人が追いかけてきた。
 圭一が逃げながらバットを振り回すと、追跡者の一人に当たり、転倒する。
 転倒した男にバットを振り下ろそうとすると、男が間合いに飛び込んできて、圭一の腹部を殴る。
 男は、さらに圭一の腹部にパンチを浴びせ、圭一の背後に回り、首をロックする。
 意識を失う圭一。


 圭一が気が付くと、そこは自室の布団の上で、枕元にレナが座っている。
 レナは、医者を呼んだから、もう大丈夫と話す。
 レナは、ダム現場に行ったら、圭一が倒れていたが、圭一は自分で歩けると言うので、肩を貸して家まで連れ帰ったと、話すが、圭一は、まったく覚えていない。
 圭一は、二人組みの男のことをレナに尋ねるが、レナは、いなかったと答える。
 トイレに行きたいと言って、レナを部屋に残して、圭一は、大石に連絡するため、電話のある居間へ向かう。
 そのとき、玄関のチャイムが鳴る。
 医者が来たと思い、圭一は無防備に玄関を開けるが、来訪者は魅音だった。
 魅音は、レナから、圭一が倒れたと連絡をもらったので、様子を見に来たと話す。
 魅音とレナに追い立てられるように布団の中に押し込められた圭一は、大石と連絡がとれそうにない。
 魅音は、レナに、監督に連絡したのかと確認すると、レナはすぐ来ると言っていたと、答える。
 監督って誰?と思う圭一に対し、魅音は、圭一が野球に興味あると知ったら、監督が喜ぶと話している。
 そして、二人して、監督が来る前に、おはぎの宿題の罰ゲームをしようと言い出す。
 レナが圭一の後ろに回り、圭一が動かないよう羽交い絞めする。
 魅音がポケットをまさぐると、小さな注射器が出てくる。そして、富竹と同じ目にあってもらうと、魅音は宣言する。
 圭一は、富竹が、自分の爪で喉を引っかいて死んだが、体からは薬物は検出されなかったことを思い出す。


 鬼隠し編 #12 ごめんさない

 圭一が我に帰ると、魅音とレナが血溜まりの中で倒れている。
 圭一の右手には、二人の血がべっとりと付いた金属バットが握られている。
 圭一は、二人を殴り殺したのが、自分だと悟る。
 レナと魅音が、富竹と同じ症状を起こさせる注射を圭一に打とうとしたので、圭一はレナを投げ飛ばし、魅音の腹を蹴った。そして、机の横にあった悟史のバットを握った圭一は、二人に何度もバットを叩きつけたのだ。
 圭一は、医者に他に監督も、ここへやってくることを思い出す。
 外で話し声が聞こえたので、圭一が窓から外の覗いてみると、門のところに4,5人の男が群がっている。
 ダム現場で圭一に襲い掛かった男によく似た雰囲気の男たちで、白衣の男も混じっている。
 あきらかに医者に変装して、玄関を開けさせる係りのようだ。
 そして、男達の後ろには、圭一をひき殺そうとしたあの白いワゴン車があった。
 圭一は、時計の裏に隠したメモを剥がそうとして、破いていしまうが、「レナと魅音は犯人の一味」と、書き加える。
 続いて、「他にも大人が4.5人以上。白いワゴン車を所有。4年前の殺人事件の被害者をもう一度よく調べてください。生きています。富竹の死は未知の薬物によるもの。証拠の注射器はこれです。」と書いて、証拠の注射器を、テープで時計の裏に貼り付ける。
 玄関のチャイムが鳴り、圭一は、さらに書き加える。
「どうしてこんなことになったのか、私にはわかりません。これをあなたが読んだなら、そのとき、私は死んでいるでしょう。死体があるか、ないかの違いはあるでしょうが。これを読んだあなた。どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです。」
 書き終えたメモを時計の裏に貼り付け、時計を元の位置に戻す。
 チャイムが鳴り響く玄関から、自分の靴を鷲掴み、勝手口から外に出た圭一は、すぐに男達に見つかってしまう。
 背後に誰かがぴたっと張り付いている気配を感じながら、ひたすら全力で走る圭一。