にんぎょひめ 54 | 櫻の葉色

櫻の葉色

左利きマジョリティ

「腐」です。

苦手な方は、回避願います。






「…まぁくん…、上手だね…。」


「え? ホント?」


「…ぅん…。すごく…。」


「…くふっ、うれし…。なんかテレるね…。」



身体中が 痺 れて、高揚しているのが自分でも分かる。

キ スだけで、こんなにもおかしくなるんだ…ってこの歳で初めて気づいた。

こんな状態の自分を悟られないように、なるべく平静を保って話をする。



「……それで…、まぁくんはどうだった?」


「…うん…。きもちよかった…かも…。」


「…そう…///。」



あまりに素直な感想に、勝手に表情が崩れてしまう。


何なの? この人は…。

本当に……。


そんなんだから、変な理由付けられて簡単に唇を奪われちゃうんだよ…。




「でも、かずのおかげでこわくなくなった。
しょおちゃんもきっとよっぱらってたんだよね。かわいそうだからだまっていてあげるよ。おれ。」


「……あ、うん。そうだね…。」


「くふふ、かず、ありがと。あした、ちゃんとしょおちゃんにあやまるね?」




そう言って、ニコニコと笑って冷めてしまったコーヒーを啜る。


……本当はね…? 相葉さん…。


貴方にとっては、ただの罰ゲームの進化系だったとしても俺たちにとっては全く違う意味合いを持つんだよ…?


…気付かないよね…?


今、私の身体はジンジンと疼いて訴えてる。


…もっと、欲しい………って……。

………「私」に気付いて………って……。



俺は.......

……恐らく翔さんも……

貴方を貴方が思っている以上に欲している。

貴方が到底思わないような感情でね。