いちご大福 | 櫻の葉色

櫻の葉色

左利きマジョリティ

「腐」です。


苦手な方は、回避願います。







『てんさいなのかとおもってた!』


相葉ちゃん…。おいら…天才なんかじゃないんだよ……。




『りーだぁ、すごいね!』


相葉ちゃんがいつも喜んでくれるから、カッコ悪い所は見せたくなかったんだ…。




『すげぇ! すげぇかっこいいっ!!』


真っ黒黒目まんまるにしてさ?

まんまるな目キッラキラにしてさ?


喜んでくれるのが見たくて

喜んでくれるのが嬉しくて




おいらはさ……



松潤みたいに情熱的にグイグイ攻めたり、これみよがしに甘えたりも出来ねぇ。



ニノみたいに粘着質に弄 れた愛情をダダ漏れに、一挙手一投足に即座にツッコミを入れる事も出来ねぇ。



翔くんみたいにド変 態に欲望をぶつけたり、デレデレとひと目も憚らず鼻の下を伸ばしたりする事も出来ねぇ。




おいらはさ?



ただ、おいらの隣で相葉ちゃんがニコニコ笑っててくれてれば良いんだ。


相葉ちゃんが気持ち良いって思ってくれればそれだけでじゅうぶんなんだ。



相葉ちゃんが笑えば嬉しい。


相葉ちゃんが泣いちゃうと悲しい。




今までだって 今だって 変わんない。






テレビを観てたら旨そうないちご大福が映ってた。



「………うまそ……。」



思わず声が出る。



………相葉ちゃんと…食いてぇなぁ……。


………相葉ちゃんを…食いてぇなぁ……。



なんて思ってたらLINEの着信音。



「……相葉ちゃん……?」



以心伝心ってやつかい?


グループの方じゃなくて、個別の方から。




『会いたくなっちゃった。』



.......可愛いじゃねぇか……。




『俺も』



『元気?』



『元気』




簡単なやり取りなのに泣きそうになる。



『会いたい。』



おいらも、会いたいよ。




『さっき、旨そうないちご大福テレビに出てた』



『俺も観たよ。一緒に食べたくなっちゃった。』




……やっぱり以心伝心ってやつだったね……。




『俺は相葉ちゃんを食べたい』




ストレート過ぎたかな.......?


急に返信が来なくなっちゃった。



相葉ちゃんを食べる。 ふふっ。


どうやって食べようかな.......。

相葉ちゃん、時々狡ぃからなぁ…。


まず、甘い物で釣っておいて

ノコノコ来たら、部屋に閉じ込めて…。


お前を食ってやるぅ、がおっ。って

襲いかかるなんてどうだろ?


ニヤニヤしながら妄想に耽り

暫く待っていたらやっと返信が来た。




『食べてよ。』



わぉ!?

積極的。



『良いの?』



『うん。』




やっぱり大事な事は、ちゃんと言葉にして伝えるべきだよね。



会う日も決めて。


その日は何するかな.......なんて、思いを巡らしていて、言わなきゃならない事思い出した。




『忘れてたんだけど、言わなきゃならない事が2つあった。』


『何?』



LINE電話を鳴らすと直ぐに出た。



『おおちゃんっ。』



.......可愛い.......。



「おぅ、久しぶり。」



『うん。げんきそうでよかった。』



「元気だぞ。」



『ねぇ、言わなきゃなんないことって?』



「うん。ことぅーげは入れちゃダメだかんな。」



『ことぅーげ?  小峠さん?』



「そう。」



『何に?』



「グループLINE。」



『くふふっ、なに言ってんの。入れるわけないじゃんっ。

嵐のぐるーぷらいんだよ?』



「.......覚えてないの…?」



『え? なにがぁ?』




.......適当に言ったな.......。


......本当に相葉ちゃんは、その場の雰囲気で勝手に答えちゃうから変な事になるんだよな.......。




「まぁ、良いよ。」



『あと1つは?』



ホント、せっかちだよなぁ。



「聞きたい?」



『聞きたい。』



「雅紀の事が、大好き。」



『へっ?? えっ///??』




赤くなって俯いている相葉ちゃんを想像する。


あぁ、早く傍に行って直接言いたいなぁ。



「早く会いたいね。愛してるよ。」



追い討ちをかけるように愛の言葉を囁くと

ちょっと恥じらうような可愛い声が聞こえた。



『俺も。 大好き。』