夏山遭難 | 空気の意見 

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過去の規制緩和による捻れた競争社会に、公正な競争を導入し、不当な競争から労働者を保護しよう! 介護福祉は国営化。国が労働者管理機構をつくり、労使へのアクセスとバックアップ、フィードバックを強化し、労働者達へのセーフティーネット強化の土台をつくろう。


 夏山にて遭難のニュース。
とりあえず、ガイドといっても登山経験がある雇用者、
すべての責任や判断ミスの結果を押しつけるのはどうかと。
 そんなこといってしまったら登山者は、
万全の装備と経験と自己責任を持たなきゃいけないような反論が出るのは当然の流れ。

 だいいち、登山・キャンプは緊急時の危険性に比べて習熟者や経験者の団体や資格などが
よくわからんくらいに適当だし、そもそも権限や立場が低いようだ。
そんな重要な人達に十分な権限や安全勧告などの警告系すら出させるような、
社会的地位を与えないほうがおかしい。

 船舶で船長などが与えられる権限のようなものを、登山ガイドに与えて、
過密な行程と人員を予定に組んで登山を実行させるようなツアーを中止させるくらいの権限が必要だろう。
登山装備についての指定も厳しくするべきだし、
ガイド団体によるツアー会社の監督監視を充実させたり、
登山者・キャンプ者の登山免許・資格だとかを徹底するべきだ。

ある難易度と危険性のある山は、ガイドと登山者の比率を1:2あるいは1:3くらいに制限すると
手軽なうえに多数の死傷者を出さずに済むケースが増えるはずだ。


 結局のところ、登山者達が、こういった制限や資格や権限に無関心でいるようなこと自体、
登山文化の底の浅さを露呈しているし、
ガイドに強力な権限と企業と登山者の商売からある程度独立した立場が備わっていれば、
このようなツアーの中断や計画からの練り直しができたはずだ。

それこそ、多くのひとが求める「ガイドの判断」とやらの十全な発揮ができるだろうし、
ある現場での限られた状況での判断について結果だけを眺めてガイドの判断を非難するのは無責任だ。

 今回、後続からの別のグループが無事であったことを考えれば、
装備が充実していたならば決して無理な登山ではなかっただろう。
登山現場での装備の不備、低体温症そのものを引き起こした因果関係を、
行動に置くか、装備のなさに置くか。

ツアーといっても、つまりはただの営利商売である。
警備会社だって命をかけて警備するわけでもないのに、
現状のただの一ガイドに命を守れというのはバカげてる。
ガイドの決断した強行軍のせいだといっても、現代の資本主義の商売は、
利益を尊んで、右から左へ、物事を進めるのだから、
過剰なサービスをする(といってもサービスを仕方なく余裕させられるケースが多いけれど)余裕はないし、
登山客の装備の安全管理は登山客個人次第だ。

金銭のやりとりをもって主張するなら、十分に格安の旅行に、
中身の内容や自身のことも十分にわからずに飛び乗ったことを考えるしかない。
なぜなら格安の飛行機に乗ってさえ事故にあったりするのだから、
それだけヒューマンエラーや整備不良が多いだろうということは、
ガイドの判断を一方的に責めるような声に習えば、予め予見できたはずだろう、となる。

社会的なシステムよりは、すべては個人の判断ミスが悪いのだ。

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