ABEMAを契約してから、よくアニメ観るようになりました。ここ二年ばかり。
アニメだと一話30分くらいなので気楽なのじゃと思う、逆に映画観なくなったなあ。
そんなわけで、けっこう手当たり次第に評判の良いもの観たのじゃけど、当たり前だけど混交玉石じゃな。
「ひとつのおもいつき」でダラダラやっちゃうものから、「よくこんなこと思いつくな」ってもの、「きちんとした世界を創り上げているもの」「それができないもの」、いろいろあります。
日本のアニメは今や世界中に売れているようで、そういう意味ではすごい時代になったもんじゃ思います。
「漫画読んでたら馬鹿になる」とじゃな、ちくわの幼少のころは言われていたものなんだけど、それを考えると隔世の感がありますじゃ。
しかしそれにしても、「魅せる」って技術はすごく発達したよ。
一枚一枚セル画描いて動かす、そうやって作る時代からしたら、もう次元が違いますわいな。怖いくらいじゃ。
ちくわはかなり若いころからアニメ観てるので、言うなればヲタクの走りみたいなものですね。真正のヲタク沼に落ち込まなかったのは、単に物事を突き詰める真摯さに欠けていたからに外なりません。
そういう意味では実に中途半端な人生を歩んできたな思います。
けどねパンダコパンダとか長靴を履いた猫とか、かなり古い作品になると、今のように気易く観られなかったので、逆に真剣に観てましたよ。
ただ絵心は無いので、そっちの世界に進もうとは全く思わなかったけどね。
ところでタイトルの「無職転生」です。引きこもって学校に行けなくなった主人公は、両親の家で30過ぎるまでニート生活を送りますが、やがて両親が亡くなったことで兄弟から家を追い出され、車に撥ねられて死にます。
そんで他の世界で赤ちゃんとして生まれ変わるのでした。
絵にかいたような「異世界モノ」じゃな。(ちなみに異世界という言葉はオックスフォードの辞書に載ることになったそうじゃ)
実はこの作品の作者「理不尽な孫の手」さんは、小説を書きだして各種賞に応募するも叶わず、「小説家になろう」に連載をすることにしました、そこで俄然人気を集めて行き出版されることになるんじゃな。こういうカタチのデビューって他にも何人か居ますよね。
いわゆる普通の尺度では掬い上げられない作品が、こうやって世の中に出てくる道があるというのは、とても良いことじゃと思いますじゃ。
「小説家になろう」では、こういった異世界モノが幅を利かせていて、そういったもののことを「なろう系」とまとめて言います。
ちくわはこの人の別のお話をこの「なろう」で読んだことがありました。
やはり転生して子供時代から成長していく過程が描かれていて、その間に起こったことで人生が進んでいくというようなお話でした。
きっとこういうのが好きなんだろうね。
だからということなんじゃろうけれど、この無職転生というお話は、他のなろう系と異なり「ひとりの男がその世界に生まれて、そして死ぬまで」という長い長いスパンを小説にしています。
転生先の世界にそれほどの期間どっぷり浸らねばならないために、世界観の構築からその世界の広がりが矛盾なく呑み込めるほどには、その世界を創り込んでいかねばならなくて、よくもまあ飽きずに書いたもんだなって思います。
前述したけれど結局「好き」だからなんだろうね。
そういう意味でこの作品は他のなろう作品と一線を画すくらいに奥行きがある。(ただし、出来事やイベントに関してはまあムニャムニャじゃが)
「葬送のフリーレン」は置いといて(なろう系ではない)、アニメの質も高く楽しみに観てるアニメですじゃ。
三期が始まって嬉しいのじゃったよ。(ちなみにうちの妻は主人公が嫌いという理由で、全然見ませんね(笑)まあ、ひとそれぞれじゃ)
その作中に挿入されたエンディング(一度だけ使われる特殊エンディングというもの)曲「ツバサ」、ここ原作ではゴダイゴの「ガンダーラ」が使われてるんじゃけど、さすがに古すぎたのか何か理由があるのか、この曲に替えられているのでした。どうやら20年ほど前にアンダーグラフというバンドが歌った歌であるようなんじゃが、ちくわはどうも記憶が無くて聴いたことあるのかどうなのか曖昧なんじゃよ。しかしじゃ、
これが、イイ!
なんというか歌を通して「絵」が見えると言えばいいのかしら、そういう含みのある歌詞がほんとに良いので驚いてしまった。
夢を抱いて若者が故郷を離れて旅に出る、そのころの気持ちがうまく表現できてる。
そしてその夢はいまだ成就できていなくて、けれどあの時のあなたのこと思い出して、もう少しがんばろうと思う。
そういった内容がけっこうグイグイ来てましてじゃね、ちくわとしてもそんな昔の時を思い出して、かなり共感しちゃってるのでした。いい歌じゃん。
そういえば最近はこういうしっぽり歌う感じの曲って少ない。イントロも短いし裏声多用するし、詩に至っては韻を踏む道具みたいな扱いで(偏見かな)意味は無かったりする。
それもあってかなんか懐かしいのでした。
もっと早く知れたらよかったなあ。
これは作中のナナホシ(この世界になじめなくて元の世界に帰りたいと望む、主人公とはまったく逆の想いを持つ女性)が歌うショートバージョン、全部聴いてみたい方はアンダーグラフで検索してね。連休明けたらいいお天気になったもんじゃて。