その昔子供のころに、近所の小山の藪の中に入ったりしますと「霞網(かすみあみ)」に引っかかったりしましたな。

黒くて見えにくい網を樹々の間に張って、飛ぶ鳥を捕らえるという罠で、たしか当時からこの猟方は違法だったと思うんじゃけどね。子供のころの良い目をしても、これはなかなか見えないものでしたよ。

絡まってから「わあ!」ってなるんじゃ。

まあ、本当なら鳥がかかるまでずっと見張っていないといけないはずなので、ああいうのは飽きてほったらかしになっていたものなのかもしれないす。

 

しかし万一ね鳥が掛かってしまったら自力では抜け出せないので、死んでしまうんじゃよ。

ほったらかしにすんのもいけないんじゃよね。

 

他に「とりもち」というのが駄菓子屋さんで売られてたよ。なにかの樹脂で強い粘着力があってじゃね、指や服に付いちゃうと大変なことになっちゃうほど粘着力ありました。これを木の枝に塗っておくと留まった鳥がくっついちゃうんじゃ。

ちくわたちはセミを獲るのに使ってたんだけど、獲ったセミがベタベタになっちゃうので、あまり積極的には採用されなかったざんす。

 

その昔、けっこうメジロとか飼う人多かったように思う。文鳥とかインコとかペットショップで買う鳥もいたんだけど、ことメジロに関しては囮を使っておびき寄せて、上の「とりもち」で野生のメジロを捕らえるというのが普通だったみたい。

言っとくけど、これも違法なんじゃよね。昔は許可とれば一世帯に一羽だけはいいぞよ、って緩い法律だったらしいのね。

だからんじゃろうね、メジロ愛好家って多かったよ。

そんで捕まえたメジロはメジロ籠という、なんだかえらい小さな籠で飼われることになる。なんでメジロに限ってあの竹籠なんじゃろうね、よくわかんないんじゃけど、伝統的? なものなのかな。

鳴き声がいいので昔から飼われていたようで。どんだけ美しく鳴けるか競うコンテストが賭博の対象になってた話さえあるので、盛んに行われていたっぽい。

そういえば、めっきり見なくなったねえ、メジロ飼ってる家。

 

ジビエって野生動物のお肉料理なんだけど、これって鳥も入ってますよね。雉とか鳩とか鴨、鶫(つぐみ)鶉(うずら)、昔の日本のレシピには鶴もあったみたいじゃ。

特にツグミって西洋の料理にもなってるので、美味しいのかもしれないね。

もちろんだけど、これらも勝手に獲っちゃいけないことになってるよ。

そういえばどこかの自治体が烏肉(からすにく)販売してたように思うのじゃけど、カラス食べたくないねえ。(お肉は黒くはなかったんだけど、イメージ良くないよね)

あとね、こっちの焼き鳥屋さんに「雀」って売ってたんじゃよね。今ではほとんど見ないのじゃけど。

まさにアレな姿で串に刺さってました。

ちくわは子供でしたので、怖くて食べられなかった。(あれはしかし、ヒヨコだったんじゃないかってウワサもあったなあ)検索したらちくわの気のせいじゃなかった、雀、マジであるやん。

 

そういえば雀は減っているそうじゃな。

昔の家は瓦の間なんかに巣が造れたようなんじゃが、イマドキのさっぱりした家にはなんのよすがも無くて、生きるための寄る辺の無いデラシネ状態のようなんじゃよ。

見ているだけでシアワセになるんじゃよ、可愛いもの。

もうちょっと見られるといいのに。

彼らが住めるような工夫のある家は出来ないもんかしらね、いくらもかからないと思うんじゃけどなあ。

 

さてさて、今日のタイトルなんだけど、実はそのままでじゃな。

幼稚園で飼ってるピーちゃんのこと。

実はなにインコなのか知らないのじゃったよ、オカメインコだと思っていたんじゃけど、画像見たら全然違うしな。

小型で緑色っぽくてくちばしが赤いやつ。

ともあれ籠が汚れてきたので洗おうかってことになったと思いねえ。

前に一度やってるので、段取り的には問題ないざんす。

ピーちゃんを捕まえて、虫かごに移して、その間に籠を表に持って行ってごしごし洗い、綺麗にしたらピーちゃんを戻す。

完了。 ってことなのじゃな。コザクラインコ

 

まあ、問題はこの「捕まえる」ってとこなんだけど、ご存知のように鳥は飛ぶためにすごく軽い、なんで軽いのかっていうとやね、骨密度まで抑えて軽量化を図っているのじゃ。

なので衝撃には弱い。

つまり「そっと捕まえなきゃならない」わけじゃ。けどもじゃなそんなこと知らんがなって「抵抗し、暴れ、噛みつき、逃げる」わけで、それらの万難を排しつつもあくまで「そっと」捕まえなければならないのでした。

まあ、鳥かごの中なので、そこはなんとかなるんだけどね。

無事捕まえたし。

転居先が虫かごなのはとてもすまない。けど、ちょっとの間だから許してね。

んで、綺麗に洗ってからピーちゃんを籠に戻して、はい完了! と思いきや。

 

ああっ!

 

逃げてもうたあ! ガッデムぅぅ!

ちくわ、逃がしてしまったのじゃ。手を入れた虫かごの蓋がそのまま手に付いてきて、鳥籠の入り口につっかえてしまったのじゃ。

あああああああああ。

自由を手に入れたピーちゃんはあざ笑うように飛び立った。

もう怖いものなど無い。

小さな翼はびくともしーない♪ なのであった。(リンドバーグだったっけ、懐かしいな)

 

いかーん、逃げちゃったらぴーちゃんに似たやつを買ってきて、何ごともなかったようにこっそり入れ替えねば!

などとちくわは一瞬考えた。うん、考えたよ。 なんてこと考えるんじゃろうね。

実に姑息だわ。

 

でも、捕まえちゃえば問題ないではないか、幸いなことに園児の使う虫取り網が倉庫にはある。ちゃっちいやつだし、あいつら砂をすくったり振り回したりすんので、破れてないものなどひとつも無いけど、幾らかマシな奴があったはずじゃ。

急いで取りに行った。

そんで階段を駆け上る。

幸いなことに三階までの吹き抜けに開いている窓はなかった。いつもは通風窓が開かれているのに、今日は閉まってた。

カミサマありがとう。

ただね、螺旋状に昇る階段の真ん中はぽっかり空いてる、そこを飛ばれるとどうしようもない。

飛び疲れて休む時が勝負よヒロミ(誰?)

ということでそろり~そろりとまいる~~ぅ。とじゃな狂言師のように参ったわけじゃが、さすがになかなか捕まらない。

捕まらないんだけど、さすがに鳥籠に住む鳥じゃ、運動不足を露呈してきおったわ、それっ!

 

獲ったど~~~ぉぉぉぉ!

 

さあ、急いで鳥籠の中に戻すのよヒロミ(だから誰?)

あそこに入れて何もなかったフリをするの、大丈夫よ、だれも気付いてなんかいないわ。

というわけでお蝶夫人が囁くのであった。

 

園長先生、鳥籠の掃除終わりました。はあはあ。

ああ、よかったよかった。

ピーちゃんも運動できてよかったねえ。はあはあ(*´Д`)