狗の骨。
どこの誰とも知らないものは馬の骨って言われる。どこの馬の骨ってね。
そもそもそれはどこから来たのかしらねえ。
調べてみたのだけど、なんだかよく分からない。なんじゃろうね、誰か知らない? 馬の骨ってあんまり見ないよねえ。
ところで狗の骨だよ。 犬って字じゃなくて「狗」なのは、下卑た感じがするじゃろう? 天狗様の「狗」じゃよね。
狡兎死して走狗煮られる。のあれですがな、警察の犬って言えば警察犬だども、警察の狗って言えばそれは手下みたいな意味になるよね。
よっぽど得体のしれない不吉な感じがするよね、「狗」それの「骨」なのだものな。なんだそれ?
わあ、すっごく気味悪そう。( ノД`)
じゃろがい。
しかしなんで、こんなこと書いてるかというとやね。
誰かに返事したと思うのだけれど、例の「塗り物」って記事の中でお椀を買った事書いたと思うのだけど、「今度は盃がひとつ欲しいのね」ってそこに書いたのだす。
そんでじゃな、ちょっとまたぞろオークション見てみたのざんす。
したら、「おっ!」って思うものがあったんじゃよ。
お椀は様子見ながら二か月かけて選んだのに、この盃は見た瞬間に欲しくなったのでした。いいやん。これいい!
これでお酒飲んだら美味しいに違いない!
酒飲みのアンテナがそう言ったと思いねえ。
酒飲みが故の勘ってやつ? その日のうちに買いたい思った。
その商品の説明が「狗骨見 下賀茂神社蔵 写し」ってものだったのさ。
ね、なんて読むのかわかんないけど「狗骨」出てきたじゃろ?
それはじゃな、削りだした盃の木地に、透明なウルシをかけて木地をそのまま生かし、そんで盃の底に金でヒイラギの葉を描いたものだったというわけじゃ。
ゾッとするような美しさ。
うわああああ、もうこれでいいじゃん、これでちくわはお酒を飲んじゃうぞ!
ってなりましたわいな(笑)
さぞや高価な、っと思いきや、出ている価格は1000円!
や、や、あや、安い!
まあ、しかあし、この値段で終わらないのがオークション。
ちくわは騙されないじょ。
そういうわけでじゃな、もうね、誰にも渡さない覚悟を決めて、どんと5000円! どやっ! って感じで値付けしました。(もうそれ以上は出せないんじゃもの)
そしたら、1000円でそのまま落札できちゃった。
うっひょい! やでうれしや!
まあしかし、現物見てないわけだし、どんなか知れないしな。ちくわはその馬の骨が届くのを待ちました。
したらどうじゃもうぼろっぼろの古びた外箱でねー、ちゃんとした桐の箱なんじゃけどさ、しかも十字に結ぶように箱底に紐通し付いてる、なかなか立派な物なんだけどね、
汚い! ボロボロ、もちろん使われてる紐もボロボロ。
い、い、いったいいつの時代のものなんだろう?
そんなわけでじゃな、たった1000円の値付けに不安を覚えながら、そのボロい箱を開けてみたよ。
したらぼわっと煙が出てきて・・・・・・。(なわけないぞ)
じじいになってしまいましたとさ。
まあ、もうちくわは爺さんだけどさ。
小さな盃出てきました。
軽い、小さい、薄い。
すごいいい!
外箱が自らを犠牲にしながら中身を大事に守ってたんじゃな。ってちょっと感動したよ。( ;∀;)
えらいぞ!外箱! (とはいいながら、あんまり汚いので捨てちゃったんだけどさ)
柘植かしらね、堅くて硬質な木を丹念に削ってじゃね、細かい木肌をそのまま意匠にしてる。
ぎりぎりまで削ってあるから、ものすごく薄くて軽い。
上からそっと持てる大きさが良くて、お酒をクピッと口に運べる。おいしいすぅ。(もう使ってるんかーい)
そんでね、底に描かれてる金のヒイラギの葉、お酒を注ぐとこいつがキラキラと光る。いいね!
ついつい、飲み過ぎた(*´Д`)
ああ、なんかお気に入りの酒器ってすごくいいね!
ちなみになのだけれど、11月の13日はウルシの日だったそうなのね。なんでも惟喬親王(これたかしんのう)が虚空蔵菩薩からウルシの製造および漆器の製造法を教えて貰った日なのじゃそうでな。
まあ、胡散臭い眉唾物のお話なんだけど、そう書いてあるならそうなんじゃろうということで、この日がそうなったということじゃな。(すかぽんさんの誕生日だったような)
さてさてさてさて、よい酒器が手に入ったので、なんかええ肴が欲しいですじゃね。
でっかい秋刀魚とかあれば最高なんだけど、最近のは可哀想なくらい痩せてるんじゃよね。
あれでは食べる気もおきないな。
まあいい、なんかないか探しに行こ♪
追記 そうだ、言い忘れたけど狗骨って、このヒイラギのことらしいのじゃ。「柊」っていう立派な漢字があるんだけど、これもヒイラギを現わすそうなのね。
考えてみたら植物の名前って感じ難しいのあるよね、秋海棠とか山茶花、躑躅とか竜胆、欅に椚に樟、読めないっつーの。
ついつい「やまちゃばな」などと読んで恥かいたりね(笑)
追記でしたー。