諸星大二郎(もろぼしだいじろう)とか言っても、知らない人は知らないよね。

もう長く描いてるベテランの漫画家さんじゃ。

かなり変わった感性を持った漫画家で、相当毛並みの違う作風の作品を書いていたりすんのじゃな。

今回この人を取り上げるのは、小倉の「あるあるシティ」というところで「諸星大二郎展」をやってて、今日それを観に行ったからじゃ。

 

中国の古典や文化人類学に興味があるのか、こんなのとても売れまいよって作品も多くてやね、当時の出版社がこの企画でよくオーケ―を出したなって、今ではちょっと信じられないのでした。

実際に売れてるのかどうかをちくわは知る由もないのだけど。

 

「生物都市」というSF漫画で手塚治虫賞を受賞するも、並の新人が考えるにしてはストーリーが秀逸すぎるってことでじゃね、なんかのパクリじゃないのかって疑惑が浮かんでやね、筒井康隆のとこにたくさんの問い合わせが行ったらしいぞ。(笑)

実際にこの話はちくわも仰天しまして、その後の「不安の立像」と並んでけっこう強烈な影響を受けています。

あと「妖怪ハンター」の「生命の木」、あれは凄まじかったなあ。絵の迫力が圧倒的で、仰け反った記憶があるす。

ああいうのが描けるのはすごいな思いました。

 

ただね、決して絵がうまい作家さんではないのよね。

気味の悪いもの描くのは上手いんだけど(笑)

夢に見てうなされる系と言えばいいのじゃろうか、パンと大ゴマで念の入った気持ち悪いものが出てくるので、読むとえらく記憶に残るというか、「ひぃっ!」ってなっちゃうんじゃよね。(鎖で繋がれたオオナムチとか、海から上がって来る安徳様とかじゃ)

 

諸星大二郎 hashtag on Twitter

しかし、これはマジか~い♪ って思ったよ(笑)

そういえばちくわは高橋留美子展にも行ったことがあるので、上の絵はその時に見たことがるのじゃけど、まさかあんたがラムちゃんを描くとは思わなかったよって思いましたな。(というかこれ、おばさんじゃね?)

しやけどこの「うる星やつら」の主人公は諸星あたるという名前なので、もしかしたら先生の名前となんらかの関係があるのかもしれないね。

 

今回の展覧会は企画がとても優れていて、漫画の原画以外にも漫画の資料画像みたいなのも併せて展示してあって、とても面白かったよう。チブサン古墳の写真とかゴヤのサトゥルヌスの絵とか、ニューギニアの仮面とか百鬼夜行図、ウツボ船の本、饕餮(とうてつ)の写真、誰が監修したのかわかんないけど、すばらしい展示でした。すばらしい。ぱちぱちぱち。

 

「我が子を食べるサトゥルヌス」

この「嫌なんだけど止められない」感じの表情がじゃな、人間の業みたいのを捉えてて実にコワイ絵じゃなって思う。

狂気を感じるでそ?

 

物語を紡ぐことって、その人にとってなんなのかなって時々思うのだけれど、このサトゥルヌス見てたらじゃね、「つまりはこういうことなのかもしれないな」などとも思ってしまう。

止められないことなんだから仕方がないのかもねって。

なのでせめて美味しく食べてあげなきゃじゃな。( ;∀;)

 

とても刺激を受けて帰って来たんだよ。(∀`*ゞ)

ちくわも人を仰け反らすようなものが書きたいじょ。(もちろん良い意味でだぞ)