期間限定に弱い。
弱いったら弱いー。
「今だけ」「ここだけ」とか言われたりしちゃうとやね、「ああ、そうなんだ、買っとかなきゃ」ってついつい思ってしまう。
なんかそんな気になっちゃう。
お菓子とかもそうなんだけど、カップ麺とかもあるしなー、しかし今は期間限定多過ぎなんじゃいかなあ。絶対に足元見られてるわ。
けどさ、そういうの食べてみて、「うわっ! これうっめー!」とか感じてももう売ってなかったりするじゃんね。
(とはいうものの、そういうのよりは「これ、微妙だよな」ってモノの方が多い気はするんよ、悲しいけどね)
ただね、次の年同じころになるともう一度売り出されるものもある。きっと評判がよかった品物なんじゃろね。
そう、もう何年もその季節になればまた買える、そういうのあるよね。(メルティーキッス、あれは毎年一個買ってる気がする)
それは確かに「期間限定」ではあるのだけれど、いつもは売っていないだけで、再び会えるものなんじゃよ。
ここんとこコロナで大変なことになってる。
トイレットペーパーが無くなったり、マスクが無くなったり、お店が閉まっちゃったり、とにかくじゃ経験したことないことが起こってる。
ちくわもね、長いこと生きてるわけだけれど、だから結構たいへんなことも経験してるはずなんだけどさ、こんなに広範囲でじゃね、えらいことになってるのって初めてじゃよ。
台風とか洪水とかって、たしかに現場はしっちゃかめっちゃかで大変なんだけどさ、少し離れたとこはそうでもなくて、「ふうん、たいへんなことになってるなあ」みたいなじゃな、ちょっと言うと他人事じゃないですか。
竜巻とかもっと限定的だし、もっと影響が強い地震だってじゃな、離れていたらばあんまりぴんと来ないしね。
関西の地震も、東北の地震も、最近では去年の台風とかもじゃな、えらく大変そうで心傷んだけれど、そんで確かに影響がないわけじゃないんだけれど、それでも遠いとこの災害でじゃね、胸は痛むのだけどえらい目に合ってる人との温度差はどうしたってあるじゃん。
同じようにじゃ、なんらかのことでえらいことになっている名も無い個人のこととかさ、悲惨な境遇のお話を聞いたとしてもじゃ、やっぱり「ふうん、大変じゃな」くらいのことなんじゃよね。
それはしかし、ちくわが冷たいとかじゃなくて、想像力の及ぶとこの限界を超えているからなんだとおもう。
なのでじゃね、これが外国の戦争とかだと、もっとこう想像できなくてじゃね、どうかしたら「ふうん」も無いかもしれない。
怖いことだけれど、でも、仕方ないことかもじゃ。
自分は自分で、生活があってじゃな、それ以外のことはほんとはどうだっていいのかもしれない。
さて、コロナじゃ。
世界中の人たちが苦しめられていて、ここ日本でもやはりそうでじゃな、ちくわの住む福岡も緊急事態宣言出てる。
本業がもうズタズタになっちゃってて、このままでは暮らしが成り立たんなあって感じになっちゃってます。
かなりピンチじゃ。
しかし、あんがいみんなそうじゃな、多かれ少なかれ。どこかが動けなくなったことで、ドミノみたいに次々に影響が出てる。
風が吹くと桶屋が儲かるの逆パターンじゃ。負の因果が連鎖していくのじゃな。
ここまで広い範囲の災害って、初めてなんじゃないかな。
ちくわの周囲で知った人が罹っちゃったとか、知り合いが亡くなってとかはさすがに無いんだけれど、みんな移したり移されたくなくて、すごく注意している。びくびくしてるし、先が分かんないからできるだけ節約しようと心掛けてる。
電機もガスも水道も全部使えるし、壊れた建物なんかも無くて、全部がそのままなんだけれど、これってびっくりする規模の災害なのだな。
静かな毒のような災害。
世界に流れ込む毒。
すごい閉塞感じゃよね、どこにも行けないし。なにもやってないし。
パンとサーカスの、サーカスはもぎ取られて、パンしか手元に無い。(いや、それだってまだ幸いなんだけどね)
業種によってはパンさえ怪しくなってきてるしな。
今日、この日はもう二度と戻っては来ない。
過ぎ行く日は流れていくだけで、二度と取り返すことはできない。
ちくわはそれを今、とても強烈に感じています。
言葉で言うのは簡単じゃな、「今、この瞬間は二度と戻らない」。
けれどそうは言ってもじゃ、そのことをいつも真面目に感じたことはないのじゃな。
ふと、なんらかの時に思いつくだけ。
だってそれは、知ってはいても押しとどめることも、逆らうこともできない、たとえば明日また日は昇ること程度の、そういう認識でしかないものだもの。触れられないし、理解は出ても絶えず考えなくちゃならないものではないのじゃな。
しかし、明日がもっと酷いことになってるかもしれないのじゃ。
いきなり感染拡大が起こってて、もう誰にも止められなくて、大好きなあの人と会えなくなるかもしれない。
それどころか自分がこの世からいなくなっていて、大好きなあの人にさようならも言えないかもしれない。
そうじゃな、この時間、この時は本当にもうかけがえのない、二度と戻ってこないのだな。
ちくわは強く感じます。
一期一会。
それならば無駄にすることなく、大事に使うていかねばなるまいよ。
期間限定じゃ。
生きていること自体が奇跡みたいなものかもしれず、生き続けていることがうたかたの泡みたいなものだとしたらじゃな。
無駄にしてる暇はないな、思ったりします。
押しとどめることが不可能で、じゃんじゃん頭から降り注ぐ滝。
けれど、それに打たれながら、それでも何かできるだろうし、しなけりゃならない。
このコロナ禍が終わったなら、外に遊びに行きたい。
フェスでもみくちゃにされたい。
コンサートで盛り上がりたい。
酒飲んで大声で笑いたい。
早くやっつけちゃいたいね。
まだまだしんどいけれど、がんばっていきましょうね。だいじょうぶ、皆で一丸になればきっとうまく行くさ。
そうあればいいね。
ちくわは自分を騙してるのかもしれないなって思うことあります。
本当はじゃな。
けどね、やはり希望は捨てたくないし、そうあれよって思っています。