孤独って、なんかこうかっこいい。

 

字の成り立ちも響きもなかなかよろしいのじゃなかろうか。

と、ちくわは思う。

ところでじゃ、孤独は苦しいってよく言われるのだけれど、そうなのかしらね。

そりゃ、そういう人もいるだろうけれど、その方が落ち着くって人だって居ると思うのじゃな。

他人にいろいろ気を使わなくても済むし、ほっといてもらえるのはありがたいなー、って考える人がいてもおかしくはないよね。

 

ちくわは孤独も楽しめると思う。

思うのだけど、いつまでも独りではいられないだろうなとも思う。

知らない場所で独り暮らしを始めたころ、全然友達もいなかったものじゃから、気が付いたら独り言を言っててじゃな、「うわ、これ危ないんじゃないか?」って、ちょっと引いたことありますよ。

えっとね、「ああ、そうだ、あっちから先にしないとだよね、馬鹿だよね」とか「うわ、困ったなあどうしようか」とかさ、場面によって違うのだけど、まじに口に出していて、誰も居ないのにじゃ、それに気が付いてゾッとね、したもんざんす。大丈夫なのかちくわは、って(笑)

思うのだけど、ああいうのって、口に出すことで心のバランス保とうとする自然な動きなのかもしれず。

言うほど危ないわけではないのかもな。

とはいうものの、まあ、追い詰められてたってことだろうし、危なくないわけではないよね。

 

そんなこともあって、そうか、人に指図されたりしなくて済むし、人のことを考えなくて済むから楽ーっ! って思っていたのに、自分は案外ポンコツなんだなあって気が付いたのこと。

全然孤独を楽しめていなかった。

どこかで寂しいって、ずっと思ってたんじゃんか。

ちょっと愕然としたね。 ええ。

だって、かっこ悪いじゃん。 わしは独りでも平気なんだかんな。 って言ってて、実はそれは自分に対してのツンデレなんだもん。

そんなかっこ悪いことないよ。

 

そんなスタイルに憧れてただけなんです、ぼかぁ。 すんませんでした! って土下座して大声で言わなきゃなんないくらいカッコ悪い。

 

そこからじゃな、「触んないで下さいね、ちくわは独りが好きなんだから」って看板降ろして、「えへへっ、旦那良い子いますよぅ、どうですか、もうサービス満点なんですから」ってキャバレーの客引きみたいな姿勢になったの。(これは情けないな、書いてて)

触るな、構うな、ほっておいてくれ、って空気を出さなくなるとじゃね、肩の荷も下りるし、自然にある程度打ち解けられるようになるものじゃ。

そういうのって、たぶん相手にも伝わるんだと思う。

ただ、そうなると「他人との距離感」掴むのに困難生じたりすんじゃよね(笑) そういうのしたくないからこうしてたのにぃ、みたいなとこじゃよね。煩わしい(笑)

しやけど、社会の適合性みたいなもんでじゃね、すこし場数を踏むとできるようになるよね。普通にじゃ。

魔法のように。

したら更に楽になるよ。

よく引き合いに出るんだけど、ハリネズミのお話みたいなことじゃな、近づきすぎると互いの針が刺さって痛いし、離れ過ぎたら互いが寒いので、痛くなく、寒くない、ちょうどいい距離感を見つける。みたいなお話。

(ただ、やっぱり針が長~~い奴もいてじゃな、こっちは痛いのに構わんとぐいぐい来るとかもあるす。韓国からの留学生はそうだったなあ、親しくも無いのに泊まりに来るし、冷蔵庫とかかってに開けやがるしなー。←これらは習慣の違いなのだと、あとから知ったけどね)

 

とにかく、今はそういう若気の至りというか、ヘンな突っ張らがる面が削がれて、気のいいおっちゃんできてるから楽じゃな。

 

ただね、なんていうのかな。

ある程度距離を詰めるのって、差し出さなきゃなんないものがある。

自分が危険でなくて、騙したりしない、安全で無害な人だよって証明する、そういった証みたいなもの。

それを相手に示す必要があるのじゃな。

どうすればいいのじゃろう。

それを相手に理解してもらうのって。

 

前述した韓国の留学生のお話があるけれど、彼らは「自分はこういう人なんだ」ってことを強力に伝えようとするんじゃよ。力説すんの。なのでじゃね、日本人は面食らってしまう。プライベートどんどん晒すしじゃな、訊いてもないのに。

中国人は知り合いの擦り合わせをして、そこに接点があればある程度信用し合うようじゃ。ちょっとでもあるとぐいぐい来ますな。

ちょっと待ってくれよお、って言いたくなるじゃろ? お前ら急ぎすぎ、こっちの事情も察してくれよってね。

だからだと思うんだけど、なかなか日本人の友達ができないのだと、両国のみならず、他国の人は言うみたいじゃな。

そりゃそうだろ。日本人のパーソナルスぺースの広さ舐めるんじゃねえぞ。

そういう意味では、ここはかなり特殊な部類なのかもね(笑)

 

うん、時間がかかるんじゃよね。

「わたしはあなたに対して害をなすものではありません」という手形を受け入れてもらえるまで。

あんまり性急に過ぎると拒絶されるし、あまりにほっとくと忘れられてしまう、なかなか難しいものじゃけどね。

んでも、そうやって出来上がった繋がりは長持ちする。

しかもお互いに「相手に迷惑はかけたくないな」って考えてるので、ほんとうに困ったときは助けたり、助けられたりすることが往々にしてあったりする。

ちくわは結構気に入っています。 ええ、この気の長いお付き合い。

信頼できる人たちと知り合いになれたし。

 

ただ、あれじゃよ。 これって恋愛のパートナー選ぶ際には例外的に「少し急ぐべき」じゃな。

ええ歳になってからの同窓会とかあるじゃんね。おー久しぶりぃ的な。

したらさ「実は、あの時あなたのことすごく好きだったのよ」とか言われても、「早く言ってよおっ!そういうことは」みたいな、後の祭りにしかなんないからじゃな(互いにもう子持ち 笑)。いいか、急ぐのじゃぞ。若人よ。

ちゃんと告げろ。悠長なことしてたら間に合わんぞ。

どうしても負けられない戦いのときは頑張れよー。

 

 

まあ、こういうことなものじゃから、小説書くときにじゃな「知らない同士が仲良くなる」接点とか場面を書くのが難しい。

ちくわもそこんとこにページ割くから、枚数だけ増えちゃう。

なんとかなんないかな。