あくまでも個人的なベスト映画の選出なので、
ルールもへったくれもないのですが、
線引きのためにいろいろ考えてみました。
まず2020年度は映画館で177本、
配信やレンタルなど、劇場以外の手段でだいたい同じ本数を観ました。
流石に前の年と比べて、減っています。
リバイバルや再鑑賞もあるので、
純粋に公開年度の新作のみではないのですが、
だいたい集計の母数はこんな感じです。
劇場か配信かは問わずに、これら全てから選んでいます。
主戦場が洋画なので本数の差がありますが、便宜上邦画と洋画は分けました。
鑑賞と公開が年度をまたいだ2本は別枠でベスト作品扱いです。
「街の上で」 ※2020年1月鑑賞/2021年公開予定
「パラサイト半地下の家族」※2019年12月鑑賞/2020年公開
ということでまずは邦画部門からどうぞ。
【邦画】ベスト5
① 「スパイの妻」 ミニマムで緻密な構成が映画的快感
② 「罪の声」 見事な脚本と役者のアンサンブルの積み重ね
③ 「私をくいとめて」 のんの瞬発力が高い暴走的な自意識が最高
④ 「窮鼠はチーズの夢を見る」 男女関係ない半径数メートルの人への執着が愛
⑤ 「君が世界のはじまり」 中田青渚関西弁がツボな「リンダリンダ」の変奏曲
【邦画次点】順不同
★「本気のしるし 劇場版」 男女が鏡像になって、繰り返される依存と執着の業の深さ
★「おろかもの」 「リップヴァンウィンクル」を思わせるねじれたシスターフッドな関係が最高
★「ジオラマボーイ・パノラマガール」岡崎時代を記号化して、懐古によらず記号化に成功
★「ラストレター」男子の初恋執着は気色悪いけど、松たか子のオフビートが最高
次は洋画部門です。
【洋画】ベスト10
① 「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
無敵の脚本構成、シャーシャの無双感、シャラメの子犬感、ピューの完璧な脇役
② 「ハーフ・オブ・イット」 ヒロインに感情移入して全身全霊切なく、全ての人が好き
③ 「ジョジョ・ラビット」デヴィッド・ボウイ「ヒーロズ」に泣く
④ 「スウィング・キッズ」デヴィッド・ボウイ「モダンラブ」に泣く
⑤ 「燃ゆる女の肖像」 見る、見れれるの関係性と視線交錯系で全てが映画的で最高
⑥ 「はちどり」岡崎京子を相米監督が映画化したのが第一印象。家父長制害毒を痛感
⑦ 「ブックスマート」青春映画定型フォーマットを引用して、理想を描く、未来を切り開く作品
⑧ 「もう終わりにしょう」引用だらけで、ダウナーに現実と虚構を彷徨うトリップ映画
⑨ 「ハッピー・オールド・イヤー」チュティモンが最高。記憶の蓋を開けると危険だ
⑩ 「ロニートとエステート 彼女たちの選択」
⑤と同様男性が蚊帳の外な女性同士の関係性が偏愛ポイントで意図的にベスト10入り
【洋画次点20本】順不同
★「TENET」さあ、大画面で思考ゲームを楽しみましょう!
★「ナイチンゲール」「私が私であること」という台詞に震えた
★「ミッドサマー」男性受難的なアシッドトリップ映画
★「82年生まれ、キム・ジヨン」ユミちゃんとめぐる家父長制害毒の旅を「はちどり」と併用
★「ザ・ファイブ・ブラッズ」前作同様正しきプロパガンダを現実と虚構の合間で力技で押し切る
★「悪魔はいつもそこに」嫌な感じが低温で続くグルーヴ感
★「Mank」やっぱり映画って、映画だよな。それが好きなのさ。
★「凱里ブルース」 夢のカット割りについて一貫して考察し続ける監督
★「アンカットダイヤモンド」誰にも感情移入できず、アッパーな苦痛が延々と続くグルーヴ感
★「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」僕と鼡を思わせる初期村上春樹インスパイア
★「シカゴ7裁判」現実は物語を越え、その現実を再構成するのが映画。
★「鵞鳥湖の夜」変なダンスと麺が食べたくなる
★「WAVES」音楽と色彩感とぐるんぐるんなカメラが疾走する
★「カラー・アウト・オブ・スペース」圧巻の色彩感とニコケイと皆が一緒に狂っていく様が最高
★「バクラウ」結局マカロニウエスタンにkたるジャンル横断映画
西部劇の設定を借りた脱構築映画が今後の流行りになるだろう
★「ある女優の不在」俳優の存在感が映画をつくる
★「ふたりのJ・T・リロイ」クリスティン・スチュワート好き
虚実の再構成は先行していた本人によるドキュメンタリーと併用でより効果的
★「ジョン・F・ドノヴァンの死と生」ドランはやっぱりドランであり、すべてを受け入れる
★「マティアス&マキシム」ドランはやっぱりドランなのね……パート2
★「1917」ワンカットという方法論は面白いけど、音響と撮影がすべて