my spring #020+1 (てちりさ)




いつもと違う朝、隣には綺麗なお姉さんが寝ている。これは、まだ夢なのかな。


「あ。」


手・・・まだ繋いでくれてる。
現実だ。


昨日はとても、長い1日だった。
普段泣くことないのに、昨日はいっぱい泣いた。
目が腫れるかなと思ったけど、平気だった。理佐が氷水で冷やしてくれたからかな?
よく覚えてないけど。

ベッドの上、理佐の香りがよくする。
同じシャンプーつけてるから、余計に香る。



初めて図書館で会ったとき、理佐の目を見た時。私と同じで、ただ息長えているだけ。同族。そう思っていた。
でも、理佐は少し違った。
私は初めから、希望など持ち合わせていなかったけれど、理佐は希望を知っていた。だからこそ、この世界に失望し彷徨っていた。

出会って2日目、私を描いているときの理佐は何かを取り戻したかのように生き生きしていて、前日とはまるで別人。キラキラしていて素敵だった。

私は理佐とは生きていけない。
理佐を道連れにしちゃいけない。
断固として譲れなかった約束の5日間。

それなのに日に日に理佐のことが好きなって、離れるのが辛くなった。秘密を隠し続ける私に、理佐は「一緒にいる時間が好き」って言ってくれて、いたたまれなくなった。

理佐と離れて過ごした1週間。ラインが来ても、どうせ読めないしと自暴自棄になり、携帯の電源をきって放置した。なにより通知が辛かったから。


会いたい。でも、会っちゃダメ。
葛藤との戦いは、時が解決してくれる。
そう思って、理佐への気持ちに蓋をした。


でも、図書館で私宛の手紙を見つけて・・・。
ついに我慢することができなくなった私は、昨日理佐の住む、このアパートの近くまで来てしまった。
明かりが灯ったら、カーテン越しに理佐の影が見えるかもしれない。

それだけで、良かったのに。





「もしも、嫌になったら、逃げていいからね。」




繋いでいた手を離して、理佐の頬に触れる。
綺麗な顔・・・。私なんかより、ずっと絵になるのになあ。




「ん・・・。友梨奈・・・おはよう。」


「ごめん。起こしちゃった。」


「まだ、起きる時間じゃないよね?もうちょっと寝よ。」



少しだけ私に近づいて、理佐は離した手をもう一度握ってくれた。



お友達っていいな。
理佐、もう少しだけそばにいるね。