鈴鹿イチローって知ってる?(1) | マロの宅急便  34歳で上京する男の物語

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ずいぶんとブログを更新していないのでちょっと気合を入れて真面目なネタを書きます。

長文になるので我慢して読んでね。

最近読んだ本で「名前のない女たち3」というのがある。題名に興味をそそられて手にしてみたが、内容はといえば、特殊な映像業界、いわゆるアダルトビデオに出演している女性の生い立ちや職業観をインタビュー形式でまとめたもので、その女性とは業界内での成功を望まず、企画物というジャンルに2~3本出演して名前を覚えられることもなく消えていく人たちである。彼女たちのインタビューも気は滅入ってくるものの読み応えがある。だが俺は巻末に申し訳なさそうに収録されている「あるAV男優の物語」に強く共感した。女性ばかりの中、一人だけ異彩を放つその男の名は鈴鹿イチロー(故33)”故”と書いてあるので言わずもがなだが、彼はもうこの世にいない。数年前自宅マンションの屋上から身を投げたのだ。冷たいアスファルトに頭をたたきつけるという悲しい結末を迎えた彼の人生とはどのようなものだったのか?

神戸の少し裕福な家庭に生まれた彼は勉強は出来る子だったらしい。しかし医学部受験に失敗した彼は国立大学水産学部に入学する。卒業後、社会人になったものの医学部受験失敗の挫折と国立大学を卒業したプライドが強すぎたために謝るのが仕事(だと俺は思っている)の営業職が務まるわけがなく1週間で辞めることとなる。その後、実家に引きこもり昼はファミコン、夜はレンタルビデオ店を徘徊して巨乳物のビデオを借りる毎日・・・27歳のとき、島田紳助のカップルを作る番組に出演するも告白タイムで失敗。29歳の時、”AV界のイチロー”になるという意味を込めて鈴鹿イチローという名前で業界入り。大好きな巨乳に顔をうずめることが夢見て・・・しかし禿げかけた頭と冴えないルックスがいわゆるキモキャラを形成し、女優と絡めることはなかった。その後、やることのない生活が災いし、アルコール依存症となり舌が痙攣するようになる。そしてある女優から人間としての尊厳を奪われるようなひどい扱いを受けたことが自殺を決意させる直接的な原因となる。のど自慢に出場するという願いも叶えられなかった彼は遂にビルから飛び降りるのだった・・・・(2)へ続く。