目黒川沿いの桜も蕾が少しずつほころんできました。

春ですね~。
さて先日、劇団☆新感線の舞台『乱鶯』を観てきました。
at 新橋演舞場。
ズラリと並んだ提灯にテンションが上がります。
約20年前、大阪ミナミの中座で同劇団の『髑髏城の七人』を観たことを思い出した。
当時は舞台を見慣れてなかった24歳のわたしは、
主演の古田さんのかっこよさに度肝を抜かれた。
100人斬りの殺陣が見所で、そのシーンは20年経った今でも目に焼き付いている。
20年の間に、中座は焼失してしまい、それが心の底から残念に思います。
さて『乱鶯』。
今回の主演も古田さん。
渋いチラシに自ずと期待値が上がる。
で…これが問答無用に面白かったのです。
主役が盗人で敵も盗人。
いつも見ている殺陣とは全く違う、後ろからも斬りつける感じ。
斬りまくるし斬られまくる。
子供のころ、時代劇を見ていて不思議だったのが、
後ろに敵がいるのに、一向に斬りつけないお侍さんの姿。
それは、武士道というものがあったんだなぁとしみじみ思いました。
ストーリーは、入り組んでいないから分かりやすいけれど、
わたしはすっかり騙されてしまいました。
「いい嘘でも騙される方は辛い」というセリフが下地にあるお話。
一場面ずつ思い出していくと、あれも嘘だったんじゃないかと思えてくる。
そして、古田さんという役者さんの見えない深さにゾッとしてきます。
天然ボケっぽいなと思っていたキャラクターも実は違うんじゃないか、
ヒントがないから気付きにくいけど、自分をも騙している人だったんじゃないか…とか、
考えれば考えるほど、どんどん深みにはまっていく。
芝居がうまいなぁとか、人の心をつかむなぁとか、
そういう役者さんはいるけれど、
それを越えて、わたしは古田さんに畏怖を感じる。
本当にすごい人です。
24歳のわたしは、こう思う日が来ることにまだ気付いていなかった。
舞台を観る方の人生で良かった。
しみじみそう思います。
わたしは、基本的に仕事では標準語を使っています。
3年前に転勤になったときは、関西弁を貫こうと思っていたけど、
わたしは気付きました。
普段、標準語を使っている方が、関西弁の魅力を強く感じられるということに。
会話のテンポは、関西弁の方がすこぶる良い。
そして言葉自体に愛嬌がある。
簡潔な言葉で表現できる。まるで川端康成。
そして、なかなかパンチが利きます。
ある舞台を観た後、仕事でお付き合いのある人にご挨拶をすることになった。
もちろんその方とは、標準語でしか接していなかったのですが、なんだか相手の様子がおかしい。
そして言われた。
「すごい関西弁なんですね・・・」と。
知らず知らず素に戻っていたわたし。
舞台を観て、素に戻らざるを得なかったんだと思う。
そう言うと相手は、めちゃめちゃ喜んでくれた。
自分の気持ちをストレートに伝えたいと思うと、
条件反射的に出るのは関西弁。
標準語はよそいきの言葉。
自分の中では1枚のオブラートに包んでいる感じです。
だからこそ、舞台を観た後の
「めっちゃおもしろかったです~」という言葉が、ダイレクトに伝わるんだなぁと感じます。
関西弁と標準語のバイリンガルであることを嬉しく思う今日この頃です。
『乱鶯』、めっちゃおもろかったわ~。
夜の渋谷の雑踏で酔っぱらいの若い男に声をかけられ、
ちょっとビビッていたのですが、
「ぼく、熟女好きなんです」という言葉に、
「誰が熟女やねん!」と間髪入れずにつっこんで撃退したことも、
関西弁を話せてよかったなあと思うことの一つです。