皆様、ウィルスにはやられていませんでしょうか。
わたしはといえば、昔から元気だけが取り柄です。
この冬、なんとなく乗り切れる自信があります。
おとといの夜もとても寒くて、
下北沢で芝居を観た帰り、どうしてもスパイシーなカレーが食べたくなりました。
中からあったまりたくなって・・・。
時刻は22時。
行きたかった渋谷のカレー屋さんは、もう店じまい。
空腹のまま、自宅最寄り駅まで帰ってきました。
とても便利なインターネットというものを駆使して、
カレー屋さんを発見しました。
裏通りの静かな、カウンターのみのお店。
お客さんは常連の女性一人。
すでに出来上がっていて、マスターとずっと話をしている。
そこは、カレーが評判のバーだったので、
ひとまず、期間限定のみかんサワーとちぢれ菜のおひたしを頼み、
鶏のから揚げカレーを追加した。
店内を観察して、一人でもくもくと食べた。
おひたしもカレーも美味しいのなんのって。
聞くともなしに聞こえてくる、マスターの身の上話。
そこにはドラマがありました。
そして、流れている曲は、マスターが好きだという吉田拓郎。
とてもしみじみしました。
そして、聞き覚えのある曲『結婚しようよ』が流れてきました。
僕の髪が~肩まで伸びて~君と同じに~なったら~♪
約束通り~町の教会で~結婚しようよ~うう~う~♪
しみじみがマックスに到達しました。
知らず知らず下唇が出ていたと思う。
結婚しようよ・・・か。
髪の長さはおいといて、
自分を必要としてくれる人がいるってなんて素敵なことなんだろう…と。
わたしはまだ一度もそんなこと言われたことがない。
ゼクシィも買ったことがない。
しみじみを通り越して、さめざめと泣いてしまいそうになりました。
一度くらいは、そんな経験があってもいいじゃないか。
がんばれば、そんなチャンスも作れたんじゃないだろうか。
何をやってきたのかな。
このままじゃ帰れない気持ちになり、カシスウーロンを注文してしまいました。
甘い甘いお酒を飲みながら、自分の人生を考えた。
子供の時から活発で、何事にも猪突猛進で、
目の前にあることに夢中になって、あっという間に40年経っていた。
2年前は、東京のバーで一人カレーを食べることになるなんて、
その店のマスターの身の上話を聞くことになるなんて、
吉田拓郎に人生を振り返させられるなんて、想像もしていなかった。
今、ここにいる自分を発見したような気持ちになりました。
現在地はここなんだと。
目的地に向かっていくには、現在地が分かっていないとたどり着けない。
なんだかストンと腑に落ちました。
一人で芝居を観に行くのにも、ごはんを食べに行くのにも慣れました。
何をするにも一人のことが多いです。
実家にいるときは、一人で飲みに行くなんて有り得なかった。
一人だと、いろんなことを考えることもできるし、
知っている歌を新鮮に感じることもできる。
意外に一人っていいもんだなと感じる出来事でした。
自分を自分で楽しませる。
それって自分次第だから、なんとでもなるもんね~。
なんて幸せなことだろう。
東京に来たすぐくらいの時に、横浜中華街の占い屋さんで、
「あなたの仕事は、自分が幸せじゃないと周りを幸せにできない」と言われたことも思い出し、
自分をめいっぱい幸せにしようと思いました。
これからの人生、もし結婚するようなことになっても、
決して幸せにしてほしいとは言わないでいよう。
わたしがその人と幸せになる。
美味しいものもいっぱい作るんだ~。
仕事は辞めないけどね~。
あ~、なんて寒い妄想。
でも、そう出来る自信はある。
わたしの想像の世界では。
そして死に際に「私の人生、悪くなかった」と言いたいな。
そんなわたしが、題名に魅かれて買った本。
『おまえじゃなきゃだめなんだ』角田光代
![]() | おまえじゃなきゃだめなんだ (文春文庫) |
| クリエーター情報なし | |
| 文藝春秋 |
目次の『約束のジュリー』に沢田研二さんの「片手にピストル 心に花束~♪」という歌を思い出し、
「おまえじゃなきゃだめなんだ」ってジュリーにぴったりだと思い、すぐにレジに持って行ったのですが、
よく読むと、『約束のジュエリー』でした。
・・・それはそれとして、心に沁みる短編集でした。
あぁ、しみじみ。
いつかこんな風に言われたい。
いかん心の声が漏れてしまった。
