今年は、舞台の当たり年。
「朧の森に棲む鬼」
過去10年、観た中で3本の指に入る傑作でした。
おなかいっぱいではなく、腹八分の面白さ。
しかも気持ちが豊かになりました。
2回も見ました。大枚はたいて。
染五郎さんの稀有な才能をビシバシ感じる素晴らしい舞台でした。
「コンフィダント・絆」
三谷さんの作品。
出演者が5人。+ピアノ奏者+三谷さんのアコーディオン。
シンプルで、上質でした。
完璧ではないけれど、あまり隙のない安心感のある舞台。
プロの仕事だと感じた。
いいものを観ました。
そして、昨日観たばかりの「藪原検校」
井上ひさしさん脚本。蜷川さん演出。
事前に戯曲を読んでいった。
すごい戯曲。
ものすごく陰惨な話だけど、ものすごく面白い。
力のある言葉の数々。
これが舞台になったら、と想像してみた。
きっと面白くなるはず。
期待満々でシアターBRAVAへ。
想像を超えていた。
娯楽であった。
主人公演じる古田新太さんは、かわいらしく、
盲目の極悪非道な杉の市(のちの藪原検校)という人をリアルに演じていた。
自分の出世のために人を殺す。
普通に考えると、悪い悪いヤツなんだけど、なぜか説得力があるのだ。
うんうん、そうせざるをえなかったんだよね?
私は許すわ。
なんだか、母のような気持ちで観ていた。
(ちょっとネタバレ)
母を馬鹿にした情夫を殺そうとする杉の市。
誤って母を刺してしまう。
死に行く母に杉の市は言う。
「あいつを殺そうとしたのは、自分の盲目を馬鹿にされたからではなく、
母さんをおへちゃだと言ったから」
「そうさ、杉の市、子供の母親は、みんな塩釜小町なんだよ」
(※塩釜は東北の地)
私はここで、滂沱の涙。そして、顔がボーダーに。(ダジャレです)
泣くわ。
切な過ぎるわ!
そして、ここが杉の市のターニングポイントになるのですな。
かわいらしいところが、ちょっとずつ失われていき、
顔に迫力が出てくる。
それがちょっと悲しかった。
母のような気持ちで観ていたので、
「生き急いじゃダメよ、杉の市~」とハラハラしてしまった。
いっぱい悪いことをしてるけど、
お役人にばれませんように・・・と祈った。
主殺しのときも、「よくやった、杉の市!」と思った。
ヒールの魅力にとりつかれた3時間。
えもいわれぬ満足感。快感です。
舞台は、娯楽なんだと改めて思った。
蜷川さんの作品は、どこか芸術芸術していて、
よく分からないところが多かった。
でも、今回は違う。
井上さんの戯曲を、忠実に演出し、
俳優の魅力をいっぱい引き出している巨匠の力を感じた。
賛否両論あるみたいだけど、私は、すごーく満足。
3時間があっという間だった。
1時間でも何回も時計を見てしまう舞台もあるのだ。(毒舌っ)
すごいセリフ量を頭に入れて具現化している役者陣に拍手。
井上さんの戯曲の力に拍手。
蜷川さんの采配にも拍手。
あー、ええもん観た。
滂沱(ぼうだ)とボーターのダジャレを言いたいがゆえに、
舞台のレビューを久々書きました。
言いたいことの半分も言えないわぁ。
あー、むずかし。