5月27日です。

1年前の5月27日は、舞台「蜘蛛女のキス」の初日でした。
前日にはフォトコールが行われ、その模様はめざましどようびで紹介されていました。



その時初めて見たビジュアルに、それは大倉忠義ではなくヴァレンティンなんだなぁと思ったものです。

私もこの時点で公演期間の後半に行けることにはなっていたのですが、駄目元で当日券の電話をかけてみたところ、15分くらいで繋がり当日券が取れたんです。
まさか繋がると思ってなかったので電話を切ったあともドキドキして震えていました。
友人たちに報告すると「それは呼ばれたんだよ」と言ってくれました。

初日の翌日、眠れなかった新幹線の中。
日差しが強すぎて日に焼けそうだった太陽。
グローブ座の写真を撮るファンの子たち。
当日券の番号を呼ばれるのを待つ人達。
開演までの間、静かにその時を待つ客席。
そして暗転、いっけいさんの声、そして彼の声。
緊張感と哀しみに溢れた物語に客席も息を潜め、声を抑えてすすり泣く人も。
怒りと哀しみの感情の中に、モリーナによって少しの笑顔を見せるヴァレンティン。

あんな声で、あんな顔で演技をする彼のひとつひとつを逃したくなくてずっと気持ちを昂ぶらせたまま板の上を見つめていた。
終盤、どうしても涙を抑えることが出来ず静かに涙を流しながらヴァレンティンとモリーナを見つめていた。

カーテンコール、誰も黄色い声を出すこともなく、静かに、熱い拍手で溢れる中、ヴァレンティンから大倉忠義に戻って深々と頭を下げていた彼。

涙を流した状態のまま、びっしりアンケートを埋めた。

新大久保駅に向かう道、山手線の車内、帰りの新幹線の中、何度も思い出しては涙が溢れそうになった。

1年も経てば記憶なんて薄れていくものだと思ってた。
だけど私はまだあの日のことを鮮明に覚えている。


あの日からずっとヴァレンティンとモリーナに夢中だった。
ありがたくもその後も当日券で数回入れることもできて、もともと取れていた日も含めて毎週あの場所に行った。
千秋楽を過ぎ、ヴァレンティンもモリーナもいなくなってしまった。
だけどずっと2人のことを考えていた。

時が流れて中の人は他の仕事で私の目の前に現れても、私の中にはずっとヴァレンティンが居た。

舞台なんて水に絵を描くようなもの、残らないからこその美しさがある。
その儚さにこそ惹かれていたのに、この舞台は永遠に続いてほしかった。残るものが欲しかった。

それは叶わなかったけれど、私の中にはあの時のヴァレンティンが居るのだ。
忘れないようにしてるのではなく、忘れらない。
そして毎年5月の後半になる度に、私はきっと心の中のヴァレンティンと対話するのだろう。


担当として観られることが出来て本当に良かった。
だけどそれ以上に、彼がこの役を演じることが出来て良かった。

ありがとうヴァレンティン。
そして支えてくれたモリーナ。

2人に出会えた2017年5月のことは私の宝物。



なんかポエミーでキモい記事ですみません(笑)