【文章力対決】モンハン3ネタ「とあるオトモアイルーの日常」 | AQUOSアニキの言いたい放題

AQUOSアニキの言いたい放題

徒然なるままに俺自身のネタや、政治・社会ニュースへの辛口コメント、最近観た映画の感想とかを書き綴ります。

たまーにブログのデザイン変更とか自作ブログパーツを出したりします。「ムホホ~♪」

コンチャワ!ボクの名前は「ペパローニ」にゃ!


ユクモ村のハンターさんに雇われた、オトモアイルーにゃ!

遠い故郷の家族に仕送りするために、キビチィオトモアイルーの道を選んだのにゃ!

相場は1000~1500くらいでネコバァの仲介で雇われるんだけど・・・。ボクは、なんとその100倍、10万で雇われたのにゃ!期待されてるんだにゃ!


山のように巨大なモンスターを、ハンターさんと一緒に倒して、英雄扱い。ゆくゆくはボクも金持ちモテモテのアイルーになってカワイコちゃんとごにょごにょ・・・。


・・・と思っていたのは、雇われて二日目までにゃ・・・。ボクのご主人様、とんでもない悪党だったのにゃ・・・。


「よっしゃー!こぉの雑魚モンスがぁ!」

・・・ボクの後ろで倒れたジンオウガを足蹴にして踏みつけてるのがボクのご主人にゃ。


ハンターってこんな人種ばっかりなのかにゃ?マジで酷いにゃ。ボクを投げつけて囮にして逃げたり、「肉焼いとけ!」ってボクに焼かせておいて自分はベッドで寝るとか、

モンスターは寝込みを襲って爆弾仕掛けて勝ち誇ったり、僕たちの仕送り分までピンハネしたりとか。・・・最も許せないのは、上位クエストにまで受けられるようになったのに、未だに装備が与えられないボクの境遇にゃ!


ハンターという仕事はネコバァが提供してるCMムービーなんかより、実際には物凄く過酷なのにゃ。なぜなら、昼夜関係なく討伐したり、孤島や砂原、火山や凍土に行くから、肉体的に強いだけじゃなく、環境にも適応していかなきゃいけないのにゃ。でもそれは一般的なもので、他のハンターさんのオトモは、ちゃんと訓練したり装備を貰ったりして協力しているのにゃ。それなのに・・・。


「・・・金はやってるだろーが!テメェは俺の代わりに攻撃食らって、俺の代わりに肉焼いて俺の代わりに調合して、俺の照準合わせに役立てろ!」

ご主人様はボウガン使いにゃ。ボクをけしかけてワナを仕掛けたり、遠くでチクチク撃つやり方は・・・まぁなんというか、こんなこと言いたくにゃいけど・・・。


小物にゃ。


犬やネコは主人の器を量るっていうけど・・・ボクの目から見てもそう思うニャ。

ちなみに、ボクの名前は「ペパローニ」だけど、それはご主人様の好きな食べ物の名前から付けられたものにゃ。他に雇われたネコの名前は、「焼チーズ牛丼」「チーズサラミ」etc・・・。食い物の名前ばっかりにゃ。そう、僕たちは文字通り、食い物にされてるにゃ!


あのご主人はマジで悪党なのにゃ!!




「今日のクエストの相手はリオレイアだ。お前ら、しっかりやれよ。よーし、獲物探してい」


・・・相変わらずこの調子にゃ。僕たちに獲物探させて、自分は寝てて、見つけたら手柄は自分のものにするやり方にゃ。僕を10万も払って雇ったのは、「口止め料」も含まれてるってことに気づいたのは、しばらくしてからだったにゃ・・・。ユクモ村の住民たちは、コイツを英雄扱いするし、村長も集会所の女の子も、コイツのこと信頼しきってるにゃ。


「・・・ご、ご主人様?何やってるにゃ?」

珍しくご主人が剣持ってうろついてるから何してるのかと思ったら・・・。

「あん?ガーグァ狩るんだけど?肉食いたくなったから」

「あの・・・リオレイアは・・・?」

「さっさと探せ。それから、こいつをやる。これで頭吹っ飛ばしとけ」

渡されたのは小タル爆弾。・・・正気かコイツ?


「あの、これだけで吹っ飛ばせるとはとても・・・」

「口ん中にネジ込んどきゃ吹っ飛ぶだろ」

「え、どうやって・・・」

「そりゃオメェ、猫なんだから猫らしく・・・あとはわかるな?」


・・・こいつマジで外道にゃ。僕をエサにして爆弾特攻させる気にゃ。こいつの頭に爆弾置いたほうが世の中の為になる気がするにゃ!ヽ(`Д´)ノ


「レイアめんどくせぇんだよな。飛ぶし、火を吐くし、毒になるし。頭潰すのが一番いいけど、羽根でもいいや。ってわけでやっとけ」

「・・・・・」

こいつに殺意を覚えたのは何回目にゃ?と思ってると・・・。


背後に新たな殺意を感じる。野生のカンというか、虫の知らせというか・・・。

「ご、ご主人様?」

「うるせぇな、肉剥ぎ取ってんだ。邪魔すんな。お、おっとぉ!これはぁ!?」

「いやだからご主人様・・・」

「なんだよさっきから。さっさとレイア探してこい。・・・ってうおおお!?」


どすどすどすどすと地響きを立てて突っ込んでくるリオレイア。僕もご主人も吹っ飛ばされる始末なわけで・・・。


「まだ腹ごしらえもしてねぇってのに・・・!おい、俺が飯食ってる間に、オメェはさっさと爆弾で頭吹っ飛ばして来い!」

「・・・・・・(゚Д゚)」

べしっ。肉球がハンターの横っ面を殴る。


「・・・なんだテメェ。どういうつもりだ」

「ぼ、僕はご主人と一緒にクエストをやりたいにゃ。なんでいつもご主人はそんな態度なのにゃ!そんな態度ばっかり取るのは・・・取るのは・・・」

「・・・なんだっつーんだよ、オイ」

「もう、絶交にゃ!勝手にそこらへんでくたばればいいにゃ!僕は一人でリオレイア倒して、村のみんなの目を覚まさせるにゃ!」


そうして僕は、装備無し、道具も無しにリオレイアに突っ込んでいったのにゃ。






・・・小時間が過ぎて。それなりにレイアはやってたから経験でなんとかギリギリ生き延びて攻撃を加えてたんだけど。やっぱり拾った薬草だけで回復するのはしんどい・・・。

お腹も空いてるけど肉焼き器も無い有様だし。


ずしん、ずしん・・・。


石ころとか小タル爆弾とか、そのへんで攻撃してたんだけど・・・。


ずしん、ずしん・・・。


やっぱりこの有様か・・・。レイアに踏みつけられて今にもやられそうなのにゃ。

なんか悔しいにゃ。10万とかに釣られてあんなハンターにこき使われて、ボロクソにやられて。でも逃げたらダメにゃ。ここで逃げたら村のみんなが被害に・・・。


猫の力じゃ重すぎてレイアを押しのけることも出来ないにゃ・・・・。


ぽいっ。


一瞬光ったかと思ったら、次の瞬間引き下がっていたレイアが足をどけていた。

「・・・ったくボケ猫が。偉そうに講釈垂れやがって!・・・やっとペーペーから半人前になりやがったか」

そこに居たのはご主人。手で閃光玉いじりながらレイアを睨みつける。

レイアが閃光から視界を取り戻したのを見計らうと、レイアはご主人の足元にあるものをぎょっとした目で見る。

「ほれほれぇ。これ、なんだかわかるよな?じゃあ俺様がこれから、これをどうするか、お前でも分かるよな?」

ご主人の足元にあるのは、膝くらいの高さのある卵型の玉。それを足で踏みつけた形で構えている。あの玉が何か、僕でも分かる。あれはレイアの卵だ。


「っしゃオラァァァ!!」


思い切り蹴飛ばした卵は、ヒビが入り、そのまま中身と共にぐしゃりと潰れる。


ぶちっ。


ぶっとい血管が切れた音が洞窟内をこだまする。僕でもご主人でもない、レイアの血管が切れた音だった。もうレイアは僕のことなんか眼中にない。その隙に僕はレイアから離れて、全速力で迫り来るレイアと、それを迎え撃つご主人を見ていた。


ご主人のすぐ目の前にレイアが迫っているというのに、ご主人は微動だにしない。

ばちんっ。金属音の響きと共に、レイアがご主人の前でひれ伏していた。

「しびれ罠っと。ぶちギレさせたのは悪かったと思うが、これも仕事だ、悪く思うなよ」

そうしてさささっと巨大なタル爆弾をレイアの足元に転がして、懐から取り出した小タル爆弾をレイアの頭に向かって放り投げる。


洞窟内の天井まで衝撃が走るほどの爆発。爆煙が晴れた先には、レイアがいた。ご主人の姿が見えない。


危険を察したレイアは、翔び上がって洞窟天井の吹き抜けから脱出しようとする。

「そらっ!」

壁に隠れて爆風から逃げていたのであろうご主人はレイアの離陸した真下にタル爆弾を再び配置する。


爆弾は甲高い火薬の音を立てて、花火のように発射され―レイアの胴体で爆発した。


空中で姿勢を保てずに落下するリオレイア。それを見届けたご主人は、僕に向かって色の違う角笛を3つ放り投げて、僕に叫ぶ。


「こっちはもうタネ切れだ。あとは気力勝負だからな。テメェはどれでもいいから適当に笛吹いてろ。それと・・・しっかり休んどけ」


ご主人は愛用のボウガンを取り出して、懐からありったけの弾薬をガンストックに放り込む。


「ようし来な。ありったけで勝負してやるからお前もかかって来い」






げしっ。


あれから数十分後。立ち上がれなくなったリオレイアのそばで、お互いボロボロになった二人が交わした最初の挨拶は、ご主人の蹴りだった。


「・・・ったくテメーのせいで、金の卵が潰れたじゃねぇか。どうしてくれる!」

ご主人は僕に迫って眉間にシワを寄せて迫ってくる。

「き、金の卵?・・・えーと、ガーグァの?」

「そうだ。金になるから納品しようとしたらアイツが出てきて、テメェは偉そうなこと抜かすから、納品どころじゃなくなったんだよ」

「・・・レイアの卵じゃなかったのにゃ?」

「当たり前だろ。卵潰したら、依頼が無くなるだろ。ドラゴンの成長は早いからな。討伐して、ガキが育って、そいつを討伐して、さらに卵を・・・ってわけだ。オイシイ商売だろが」


・・・こいつやっぱり外道にゃ。


「それにだ。ここで卵潰して絶滅させることで、他の地域から大群が来てデカい巣を作るかもしれん。だから生かさず殺さず数を保ってやるのが一番なんだよ。なんでもかんでも倒してヒーローってわけにゃいかねーんだ。剣で突っ込んで斬るだけがハンターじゃねぇんだよ」

「・・・・・」


「・・・まぁいい。ようやくテメェもペーペー指示待ちのボケ猫から毛の生えた程度成長したらしいからな。ちったぁマシな行動とるようになったしな。報酬もらいにいくからとっとと帰るぞ」

「は、はいにゃ」


ご主人と村に帰って、ついて来いと連れられた先は、依頼された村長さんのところじゃなかった。何かの店らしい、カウンターだった。店の店主らしいアイルーとご主人が、何か話をしている。


「それじゃあ代金と端材はこれで・・・」

「まいどまいどー!」


そこで買ったものは、僕の装備。今まで何も無かった僕に武器と防具が与えられた。

「ありがとうにゃ、ご主人!」

「あー、気にすんな。素材が集まったからついでで作ってやったんだ。半人前のボケ猫に変わりは無いからさっさと一人前になって俺を楽させろ」

ご主人は照れくさそうに指で鼻をこすっている。

「それと・・・」

「それと、何にゃ?ご主人」


「・・・装備の代金は、お前の実家への仕送り分から差っ引いといたからな」


・・・やっぱりコイツ、クソ外道にゃ。