ああ、もういい。いいんだ。力いっぱい否定しなくてもいい。
妙に達観めいた心境だが、もう否定しない。認める。俺は馬鹿なのだと。
当たり前のことを当たり前のように考えられない。鳥は飛ぶ。人は歩く。だが、鳥のくせに飛び方が分からない。人のくせに、歩き方がわからない。人生の歩き方がわからない。
だから俺は、馬鹿なのだと。
最初から、俺は本質的に何も変わっていなかった。頭のいいフリをして、考えるフリをしていただけだったのだ。そう、フリをしていただけだったのだ。
本当に考えなければならないところから目を逸らして、思考をすり替えてごまかして、頭のいいフリをしていただけだったのだ。
そうか、俺は馬鹿だったのだ。もう認めよう。
でも、これだけは譲れない。馬鹿が馬鹿なりに、自分の幸せを求めたっていい。いいのだ。それくらいは認めろ。認めやがれ。