世間を賑わせ、秋葉原の住人から「ホコ天」を奪った加藤被告。
トラックで突っ込み、周囲の人々を次々とナイフで切りつけ、死亡者も出した恐るべき事件の張本人は、ついにその真相を最後まで明かすことは無かった。
死刑判決。しかし、加藤被告は、顔を蒼白にするも、表情は変えなかった。
いまさら、彼を犯罪に駆り立てた原因が掲示板のトラブルであるとか、派遣切りがどうだとか、そんなことを論ずるつもりは無い。
でも、一歩間違えれば、誰だって「加藤」になりえる、そう思っている。
人間が道を踏み外し、凶行に走る狂気は誰にでもあるのだと思う。その「凶行」はさまざまだが、狂気は誰にでもあるのだ。
そう、誰もが持ち合わせている。だからこそ、この事件は「死刑で当たり前」だとか、「死んで当然の奴」だとか、表面的な結果だけで片付けるのではなく、「狂気は誰にでもある」、そう考えて教訓にすべきだと俺は思う。