ようやく過酷と混沌と罵声と落胆と悲哀の日々が終わりを告げる。
後始末は残っているが、山場は脱したようだ。
代償は大きかった。頭痛は酷いし精神的につらかったし、なにより疲れた。
そして課題も残った。まだまだ俺は勉強不足だと。
経験の差は埋まらないが、責任感の強さは負けないし、なにより勉強が好きだ。
努力で埋められる差はあるはず。
話は変わるが、俺は今回の件で、思ったことがある。人間は、追い詰められれば自分のことしか考えられなくなるのだと。
俺が入社してデスマーチの渦中に放り込まれる前の時期から、会社を辞めたり体を壊した人間もいた。
人の使い方があまりにもひどくて責任放棄した人もいる。俺が入社してからクビを切られた人もいた。
上司も部下も、軋轢だらけだったのだ。
そう、人は追い詰められれば保身に走る。そういう生き物なのだとわかった。
むろん、俺もそういう面を持つ。今までの自分が苦しんできたつらさをブログに書いてきたのがまさにそれだ。だから自分は違う、とは言わない。
俺は人並み以上に臆病で、集団でいるよりも個で居ることが好きで、おいそれと他人を信用したりしない。
だけど、信じるに足ると感じた人間は絶対に裏切らない。そう心に決めているからこそ、あからさまに見栄を張って、建前だけは取り繕って保身に走る人間は信用できない。
逆に、信用できるなら二人だろうが三人だろうが、少なくても構わない。人間は、数よりも質だと信じているからだ。
だから、こう考えた。追い詰められて保身に走るのは"並"。俺は"並以上"になりたいと思っている。実際は"並以外"なのかもしれないが。
自分でもバカ正直で、考え過ぎで、自分から自滅して、人並み以下だと思うことがよくある。
自分から孤立しようとするし、他人から見ればなんて扱いにくい人間だろうと思われるだろう。
だからこそ至れる境地があるのだ。"並"で終わるなら平坦な道を行けばいい。逆に"並以上"になりたければ平坦な道を行かなければいい。
その道は人並み以下の道なのか。それはわからない。人並みでは終われない、自分だけの道がそこにあると信じている。