アメーバの広告でさ、なんか占い師のオバチャンが、『当たる？何言ってんだか！運命は決まってるんだよ！』って広告見つけたんだ。
俺はぶっちゃけ、占いのことはさっぱりわからん。
とはいえだ、運命って奴は科学的に２つの説で今もなおぶつかり合ってる最中なんだ。
アインシュタインをはじめ、色んな物理法則が正しいってことが証明されたじゃん？
まるで、今はまだ分からない物理現象も、そのうち未来にはわかるようになるだろうって考える人もいる。そうすると、人間の運命すらも法則があって、人間はその法則に従って人生を送っていると考える人だって現れる。
あながち間違っていないと思う。人間の感情や行動にはクセと呼ばれるパターンに従ってる部分があるからね。人間の判断がそれらに従っているんだとしたら、分岐の連続である運命も、そのクセで決まってしまう。そう考えることも出来る。
ただし、もう一方の説はまるで逆だ。人間の行動や感情の動きは不確定だ、だから運命もランダムだ。運命は決まってない。そう考える人もいる。
高校物理で、ある容器に入れられた気体について勉強したことがある人もいると思う。ボイル・シャルルの法則って奴。あれを題材にとると、容器が大きければ大きいほど、気体分子の数が多ければ多いほど、その気体分子の動きは予測不能なんだ。気体分子同士がいつどこで衝突するのか、ある時刻に分子はどこの位置にあるのか、そんなことわかりっこない。
だから、人間も気体分子と同じで、その行動は不確定だ。そう考えるのもうなづける。
でも、クセやパターンが実際に存在するのも間違いないし、不確定要素が多いのも事実。２つの説は、互いに背反で、同時には成立出来ない。…でも、あるときはパターンに従って、またあるときは不確定に動く、それが人間なんだと思う。
占い師のオバチャンは、果たしてこの説に対してどういう回答を出すだろうか？ちょっと聞いてみたい気もする。