この枠は重いテーマのサスペンスタッチなモノがよく合う。
前クールの『アリスの刺』は正直ちょっと物足りない気がしてた。どちらかと言えば同じ枠で放送された『夜行観覧車』の方がしっくりくる。
今回のクールの『家族狩り』はそんな意味ですごく枠とはまってるドラマだ。

初回から感じたのは「そう、これこれ」的な期待どおりのディープさ。
しかも伏線が多くて何とも見ごたえがある。
このドラマは「家族」というテーマを「親子」「夫婦」「学校」という3つの柱から描かれていて、そのどこから見ても「恐い」のが特徴。
主演の松雪泰子演じる氷崎遊子の抱えている闇は深く、伊藤淳史演じるお人好し教師の巣藤俊介はただただ闇に巻き込まれていく・・・みたいな感じ。
うん、面白い。

このドラマ、脇役が本当にいいのである。
認知症の夫を抱えヤケを起こしそうになる母親役の浅田美代子、できてもいないお腹の子供を理由に結婚をせまる山口紗弥加。
自分のしたことを棚にあげて逆恨みからストーカーのようになる岡田浩暉、などなど。
中でもこのディープなドラマの中にあって、緊張感を解く重要なポジションを担っているのはキスマイの北山宏光だ。彼の「イマドキの若者っぷり」が最高にいい。
重いドラマなだけに、彼の出てくるシーンは息抜きポイントとなる。

ストーリーはいよいよ佳境に入ってきていて、原作を読んでいない私は毎週ハラハラしながら見ているのだが、毎週どこかにちょっとぞくっとするシーンやセリフがある。
例えば、公演でホームレスを燃やそうとしている少年たち。
ひどいDVを受けながらもそれでも父親を慕っている少女。
レーズンパン以外に美味しいものを知らない引きこもりの少年。
子供たちに対して無責任な親と無関係であろうとする教師。
このドラマには都会の闇が色濃く反映されている気がする。

ただ一つ、残念な点を上げるなら、篠田麻里子のキャスティングだろうか。
本来なら遠藤憲一演じる馬見原という刑事をどん底に突き落とす重要なポジションだった気がするのだが、彼女の残念な演技で馬見原に同情することしかできない。
父親を憎んで悪態を付く娘、という文字面だけの芝居では、このドラマの深いテーマには合わなくないか?しかも何なの、そのヤンキーのようなキャラ設定・・・。
前述した3つの柱のそれぞれを松雪泰子、遠藤憲一、伊藤淳史の3人が描いているとして、申し訳ないが、このキャスティングのせいで馬見原エピソードがイマイチに感じてしまった。
他に誰かいい女優はいなかったのか??

さあ、ラストに向けて、3つの柱がどのように交差するのかが楽しみだ。
キーマンは、財前直見だろう。多分。