エベロリムス | はーたんタンタン

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生後2ヶ月で結節性硬化症、ウエスト症候群と診断された、はーたん。
脳腫瘍、右手のマヒ、てんかん、色々あります(^^;

そんな息子はーたんの成長の記録です。

今更ですが結節性硬化症についてと、ラパマイシンが作用するしくみについてなど。
ほぼ難病情報センターなどから抜粋ですが、自分の整理のため。


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結節性硬化症(Tuberous sclerosis、TS)は、全身の過誤腫を特徴とする全身性疾患で、

知能低下
てんかん発作
顔面の血管線維腫(ニキビ状のちっちゃい腫瘍で、5歳くらいから出てきます。)

を三主徴とする常染色体優性遺伝を示す病気です。


しかし、これら三主徴は必ず全て出現するわけではなく、

これら三主徴以外にも皮膚、中枢神経系等ほぼ全身に種々の過誤腫を形成し、

皮膚においても、白斑等種々の変化に富んだ病変が認められるそうです。

(過誤腫→腫瘍と奇形の間、だそうですが、まぁ良性腫瘍です。)



TSの原因遺伝子として、1993年にTSC2遺伝子が、1997年にTSC1の遺伝子が相次いで同定されました。

(TSC1遺伝子やTSC2遺伝子は腫瘍抑制遺伝子です。)

これらは、まったく異なる遺伝子ですが、臨床的にTSC1あるいはTSC2の変異による病態を区別することはできないそうです。

(見た目や病変からはどちらの変異かは判断できない、ということですが、TSC2変異のほうが様々な病変が起こりやすいとは聞いたことがあります。)


TSC1の遺伝子は130KDaのハマルチン(Ham artin)とよばれるタンパク質を、TSC2の遺伝子は198kDaのチュベリン(Tuberin)とよばれるRab GAP(GTPase activating prote in)の触媒部位と相同性を持つタンパク質 をコードしています。

TSC1/TSC2複合体は、低分子量GTP結合タンパク質であるRheb (Ras homolog enriche din brain)のGAPとして作用し、Rheb-GTP を不活性化します。
Rhebは、その下流にある

mTOR(mammalian target of rapamycin →ラパマイシンが作用することで発見されたタンパク質)

というタンパク質リン酸化酵素を中心としたmTORC1複合体を活性化することにより、
mTORC1の下流にあるS6K1, ribosomal protein S6や4E-BPなどを介して細胞の増殖やアミノ酸代謝などの多様な細胞現象を制御しています。


TS患者の体細胞では、それぞれの相同染色体の一本の染色体上のTSC1 TSC2遺伝子に変異がおこっており、

残りのもう一本の染色体上の遺伝子にも変異がおこることで腫瘍病変などが出現すると考えられています。



このような変異によりTSC1/TSC2複合体のGAP活性が低下した結果、mTORC1活性が異常に高くなるひらめき電球ことが病気の本態ではないかと考えられています。


そのため、mTORC1阻害薬であるラパマイシンやエベロリムスがTSの治療に用いられています。
(細胞の腫瘍化を抑える薬、ということですね。)



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ラパマイシン(シロリムス)は、30年以上前に発見された薬物なんだそう。

ラパマイシンを元にして、元素とか構造が少し違う、ラパログってゆう薬がいくつかあって、

エベロリムスはそのうちの1つなんだそうです。

(ラパマイシン誘導体とは⇒
元の物質とほぼ同じで、構造上少し違う物質を、誘導体ってゆうんだそうです。)

だから、効果もほとんど変わらない。

副作用はエベロリムスのほうが多少少ないみたいで、今はエベロリムスのほうが一般的なんだそう。


たぶん、ラパマイシンとほとんど同意で使ってるんじゃないかな。

だから、今度承認されれるのは、正確にはエベロリムスのほうでいいと思いますひらめき電球(たぶん)


更に、最近のエベロリムスに関する記事を見つけました↓↓↓


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米食品医薬品局(FDA)は2012年8月29日、結節性硬化症(TSC)に伴って発生する上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)の治療薬として、エベロリムスの小児用製剤「アフィニトール小児用分散錠」(2mg、同3mg、5mg)を承認したと発表した。今回の承認は、小児腫瘍の治療薬として開発された小児用製剤では初めての承認となる。

TSCは希少な遺伝性疾患で、脳や腎臓 などの重要な臓器に腫瘍が発生する。 SEGAは緩徐に増殖し、脳脊髄液の流れ を遮断することで致命的な合併症を引 き起こす可能性がある。TSCは小児の 6%、若年成人の9%に認められる。

エベロリムスは、TSC患者に発生する SEGAの発生や増殖に重要な役割を担う mTORキナーゼの活性を阻害する。

同分散錠が推奨されるのは、TSCに伴 うSEGAと診断され、手術では治療でき ない1歳以上の小児。今回の承認まで、 エベロリムスは3歳以上の小児に推奨されていた。エベロリムスは、TSCに伴う SEGAの治療薬として2010年に迅速承認 されている。

同分散錠の承認により、成人用製剤 と比べて少量の増量が可能となり、ま た少量の水に溶解しやすいため、既存 の錠剤では嚥下が困難な患者にも投与 が容易になる。

製造元のスイスNovartis Pharma社 は、2010年の迅速承認の根拠となった TSCに伴うSEGAの小児と成人の患者28 人を対象とする単群試験について、安 全性と有効性の最新データを発表して いる。また同社は、小児と成人の患者 117人をエベロリムスまたはプラセボを 1日1回投与する群に無作為に割付けた、新たな臨床試験の情報も提供し た。この試験で腫瘍の縮小が認められ たのは、プラセボを投与した群で0% だったのに対し、エベロリムスを投与 した群では35%となった。副作用とし て、SEGA患者では口内炎と気道感染が 多く観察された。

TSCに伴うSEGAの治療薬としてエベ ロリムスは迅速承認下にあり、小児と 成人の患者における長期的な安全性と 有効性をさらに評価する臨床試験が進 行中である。「アフィニトール小児用 分散錠」はオーファンドラッグに指定 され、FDAの優先審査の対象となって いた。



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日本での承認ももうすぐですね!!

ややこしいので、次回からエベロリムスと呼びます(^^;