本草学6—1 【各論】温裏薬(山椒・丁子・良姜・艾葉) | 小さな薬局の学習帳

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こんにちは。


本日から温裏薬のまとめをしてみたいと思います。このカテゴリは割とわかりやすく、2回に分けることもないんですが、無精なものですみません。


温裏薬

裏を温める薬。


・ 山椒

【性味】辛/熱

【帰経】脾・肺・腎

【薬効】

  1) 散寒燥湿


・ 丁子

【性味】辛/温

【帰経】脾・胃・肺・腎

【薬効】

  1) 温中降逆

  2) 温腎助陽

※ 「クローブ」のこと。


・ 良姜

【性味】辛/熱

【帰経】脾・腎

【薬効】

  1) 温中散寒止痛


・ 艾葉

【性味】辛・苦/温

【帰経】肝・脾・腎

【薬効】

  1) 散寒止痛

  2) 温経止血

※ 「ヨモギの葉っぱ」のこと。



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【ポイント】

 温裏薬の大きな共通性質として、「温中散寒」があげられます。「冷え」とえば「脾」というぐらいですから、全体として「脾胃を温める性質」は多かれ少なかれあります。


1) 裏を温める薬    

2) 性味が「辛」が多い 

3) 「どこを温めるのか?」が重要。

  → 例によって帰経別に分類。今回は共通性質である「脾胃」プラス「その他」という分類をしてみます。


前半は、帰経の「脾胃」に関係した性質をもつ温裏薬について考えます。


上記4つの温裏薬の薬効は

 温中散寒して

 1) 燥湿

 2) 降逆

 3) 止痛  するものがあると思います。


それぞれ1)は山椒 2)は丁子 3)は良姜、艾葉といった具合に当てはめればけっこうきれいに分類できると思います。


他にもいろいろ薬効が書いてありますが、ここではちょっと無視w。


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【余談】

「温中散寒」の「中」って何??って思いませんか?

この「中」という字は、三焦の中の「中焦」を意味していて、要するに「脾」と言い換えることができます(僕はそう解釈してるんですが、本当は違うかもしれませんm(__)m)。

したがって、温中散寒は「脾を温めて寒を散らす」という意味になります。急に理解しやすくなりましたね。


この「中」という字がでてくる方剤というのは下のようなものがあります。割とよく見る方剤です。

1) 安中散

2) 補中益気湯

3) 小建中湯


この「中」を「脾」と言い換えるとどうでしょう?とたんにどういう方剤かが見えてきませんか?


「脾」を1)安らげたり 2) 補ったり 3) 建て直したりするものということですよね。


※ 三焦について → 下の方に説明があります。

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【さらに余談】

安中散というのは温裏薬が入った温裏剤です。つまり「温める」方剤なわけですが、よく市販の安中散の入った胃腸薬のCMでは、だいたい焼肉だったり、鍋をかこんでいるシーンが多いんですが、方剤の作用とはちょっと逆のことを示唆しちゃってると思うですけどどうなんでしょうかね。


冷たいもののとりすぎで胃がシクシクするとかそういうCMにしないと効果はでないような・・・と浅学非才の私には思えるわけです。

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今回は余談がやや多くなってしまいましたが、以上で温裏薬の前半のまとめをしてみましたm(__)m。


次回は脾胃以外にも作用を持つものを後半としてまとめたいと思います。