行った夏を教えるような雷鳴だった。
大きな粒を落として長く泣いた空、
差した傘に流れる雨粒は誰のものかと思うくらいに
心に掛かる靄を拭いきれずにずっといる。
シャッタースピードをうんと遅くすれば
光の軌道を映し出すことは出来るけれど、
自分の目にも追えないこんな心の波形は
どうやって把握したらいいんだろう。
すれ違うだけならまだいい。
視界に入りもしない想いなら、何を知れるって言うのか。
口をつぐんでなお
言葉を紡ぐことさえ躊躇い続けてしまったら
何か違う生き物になってしまってゆくような感覚さえするよ。
雲間から月が覗いたとき、
その周りに掛かる光の輪がすこしきらい。
何かに汚されているミタイな、
そんな色になってしまわないで。
ああ
寄り添えるこころもなかったら
ひとりでなんて歩いていけないや。
何の強がりももう無いよ。
眼に視えるものって なんだっただろう。
