春の空気ミタイなひとだと思う。
とてもやさしく微笑うから、
いつも とっても眠たくなってしまう。
やわらかくまっすぐに見つめるから、
いつも 非道くくすぐったくて仕方ない。
ふわっと入ってきて、
なんだかずっと傍にいる。
首筋の匂いにうっとりしながら
眠り就くまで繋がれた掌を
ああ、これは夢じゃないんだなって
何度も何度も確認するミタイに握り返してみる。
心地良くて、いい匂いのする春は
ふとすぐにいなくなってしまうから
このままきみが
わたしの知らない何処かに行ってしまいませんようにと
そう願いながら、きつく抱きしめる。
どれだけ抱きしめても
抱きしめても 抱きしめても
どうしたって全部なんか伝わらなくて、伝えられなくて
あたしいっそ、この人になっちゃえばいいのにな。
この人がいっそ、もうあたしになっちゃえばいいのに。
、なんて気持ちの悪い想いを巡らせて
そうして言葉を探していると
いつも決まって
ただ泣いてしまうわたしは
きっともう、きみじゃなきゃだめで
文字にしてしまえば、
なんて陳腐な言葉なんだろう。
切ないとか、恋しいとか、愛しいとか
これ以上の言葉、
なんで知らないんだろう。
ただ、いとおしい。
祈るように 願いごとをするように
そっと名前を呼んでみる。
やわらかく、ちゃんとここに響くきみの名前。
