鉱物と鉱物が、ぶつかる音。
それは
放物線を描かずに、ほぼ直線的に放たれた先の音だった。
放ったのは、わたし。
棄てたのは わたし自身そのものだった。
膝も手も、身体ごと震えているような気さえした。
振り向かずに少し歩くことが精一杯で、
別れとはこういうものなんだと身に刻まれるようだった。
ずっと何処かで期待していたこと。
ひとつずつ諦める度に項垂れたこと。
何が悲しいのかもわからないくらい突然に、こぼれる涙をそのままに歩いた交差点。
全部を明け透けにしていたようで、何もわかっていなかったくせに
もう何もなくなってしまったように日々をやり過ごしていたこと。
何かを棄てることで、何が変わるわけでもないけれど
そんなことは百も承知なんだけども
もう何のお守りにもならないものを
ひたすらに大切にしてるわたしが可哀想だった。
わたしは、
可哀想なわたしなら棄ててしまいたかった、ずっと。
助手席で握る手に
あれから何度救われてきたんだろう。
その分傷つけてきたこともあるけれど、
それだけ大切にしたいと、
まだ回らない頭でぼんやり思っていた。
そこらじゅうで灯る明かりが
わたしの知らない場所だと教えていた。
もう関係のない場所だと教えているようだった。
ひとつずつ、噛み潰してきたことを
いっぺんに吐き戻したような夜のこと。
