ひとつ、芽を出した種がある。
いくつか蒔かれていたのかもしれない。
気付かなくていい種だった。
ゆるゆる伸びてくそれを
育ててしまうのはきっとわたしなんだろうけれども
でも
ゆるゆる伸びたそれの頭を落とすことに意味はさらさら無いから。
簡単に呼吸を持っていかれる。
それはとても、簡単に。
何もできないわたしは
放り投げるでもなく
言葉を吐くでもなく
そっと視界から失くす。
なにも、できないから。
想うことが 信じることだった。
だから
想わないために もう信じない。
ゆるゆる伸びていく、
きっとぽつぽつと蒔かれていたであろう芽が芽吹いていくそれを
何ひとつ、否定しない。
もう その透けた名誉も守らない。
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