飼い主が兵役で何年も留守にしていたり、病気で入院していて長期に離れ離れになっていた犬が久しぶりに帰ってきた飼い主に会って大喜びする映像を見たことはありますか?
あまりに嬉しそうに何度も何度も身体をすり寄せ、顔を舐め続け、純粋に喜びを表現する姿に見ていて涙がでます...
ただ、今日はこの感動的な動画の話をしたいのではなく、もっと学術的な話がしたいんです。
今まで犬は情動によって涙を流すことはないと思われてきましたが、
麻布大学獣医学部動物応用科学科を主体に、自治医科大学と慶應義塾大学との共同研究により犬も長期に逢えなかった飼い主との再会で情動による涙の増量が確認されたことを発表しました。
涙が目から溢れるほどの涙はなかなか目撃されないでしょうが、犬も嬉しくて涙が出るんです。
昔の犬の専門家と言われる人たちは「犬が感動で泣くなんてことあるわけないだろ」とか、「犬を擬人化するな」などと鼻で笑っていましたが学術的な研究結果で犬も感動によって通常より涙が増えることが確認できたわけです。
では、悲しみでも涙が出るのでしょうか...
それを調べるには研究結果として評価できるほどの数の(犬に悲しみを体験させる)実験を行う必要がありますが非倫理的なのでなかなかできないかもしれません。
ただ言えるのは、こんな基礎的なことも2022年になってやっと確認できたくらい、
動物行動学の研究は進んでいないということです。
動物の行動に関する研究の成果で巨額の利益が得られることなどそうそうないですからね。
企業も大学も大して資金提供してくれません。
本当は地球を守るためにとても大切な学問でもあるのに...
動物のことがよく分かっていないから人間は平気で虐待したり惨殺したりしてきましたが、
今後動物行動学の研究が進むにつれて自分たちがどれほど残酷なことをしてきたかが分かるでしょう。
愚かにも償いきれない罪を私たち人間が犯していることに早く気づくといいのですが...