皆さんは日本の獣医大学(獣医学部)が、
どのように手術練習用の実験動物を扱っているか(扱ってきたか)を
ご存知でしょうか...
ある記者さんが2017年から2年間かけて、
獣医大関係者らの証言や国公立獣医大に情報公開請求した動物実験計画書などに基づき、
各地の獣医大を取材した結果を読んで私は呆然としました。
本来日本では、犬の外科手術の実習は1日で終えて安楽死させるのが一般的です。
しかし、日本獣医生命科学大では手術練習のために、
連続5日間同じ犬の開腹・開胸手術をしていたことが判明しました。
1日目に不妊去勢、
2日目に脾臓の摘出、
3日目に腸管吻合、
4日目に骨盤から大たい骨を外す、
5日目に肺の切除...
もちろん最後は殺します。
毎日手術される犬は麻酔が覚めた術後の痛みに耐えかね、
「きゅーん、きゅーん」と泣き叫んでいたと卒業生は語っています。
同大学は2013年までこの方法を30年以上続けていましたが、
ある学生が外部の組織に訴えて翌年から中止されたそうです。
大阪府立大も外科実習で同じ犬を3回開腹・開胸手術で使っていたそうですが、
2019年4月以降は外科実習で実験犬を用いていないと、
岡田利也獣医学類長は述べているようです。
(人間の)医学部では、もちろん生きている人間を手術の練習台になどしません。
生前の意思表示によって御献体が使われ、医大での臨床実習(見学)で学びます。
なぜ獣医学部は生きている動物を何度も何度も切り刻むような、
虐待行為を行ってきたのでしょう?
残酷な生体実験や手術練習に使われるのは犬だけではありません。
酪農学園大(北海道江別市)では9年、北里大(青森県十和田市)で14年、
実験牛(仔牛)を麻酔せずに首筋を切り、失血死させてから、
解剖に使っていたことが学生の内部告発によって知られました。
「子牛は首をずばっと切られたとき、モーモーと苦しそうに大きな叫び声を上げた」と
告発文には書かれていたそうです。
きっと高価な麻酔薬をこれから殺す動物などに使いたくなかったのでしょうね...
ラットやマウスなどはいくらでも安価に増やせるため、
もっと気軽に使われ残酷な目に遭っているようです。
苦しいのは人間も小動物も一緒なのに...
英国では実験動物で手技の練習をすることが法律で禁じられています。
2016年には米、カナダの全医学部で生きている動物を使う実習が廃止されました。
名前の出てきた上記の日本の大学らは、
真摯に自分たちが行ってきたことを認め、
マスコミに対して公表しましたが、
未だに生体実習を続けている大学は実態を隠し、
インタビューにも答えないようです。
なんで日本では今でもこんなことが行われてきたかといえば、
学校経営を担う世代に動物に対する倫理観が欠けており、
学生たちが手術の技術を向上させるためには、
動物の命が犠牲になっても止むを得ないという
動物に感情移入できない人たちが多いことが挙げられるでしょう。
しかも内密に続けられていたために、
外部からバッシングされずにきたので、
わざわざお金をかけて模型を購入するより、
生体をできるだけ節約してなんども使っていたのでしょうね😞
そんな、残酷な実習を経て心が麻痺し、
動物の命を軽くしか考えられない獣医師を量産して、
どうしようというのでしょう?
今後は実習での生体利用は禁止の方向で進めていき、
精巧な模型や亡くなった動物の献体を使わせてもらったり、
動物病院での見学の機会を増やすことで補ってほしいものです。
少なくとも意識のある実験動物に耐えがたい痛みや苦しみを与えることだけは、
今すぐにやめてもらいたい...
参考記事:https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70952?imp=0